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OMC231

OMC231(A) - 想像力に限界を感じたら

ユーザー解説 by jjmmxx

 もしスムーズに本問の立体が思い浮かべられた人がいたらすごいです.中々そうはいかない人も多いと思うので,立体想像が苦手な人向けの方針を紹介します.


(0)(0) x+y+z=1|x| + |y| + |z| = 1 とは

 まずは x,y,z0x,y,z \geq 0 の部分だけ考えてみます.このときの x+y+z=1x+y+z = 1 の図形なので,平面の x,y,z0x,y,z \geq 0 の部分だけを切り取ったような形,つまり三角形になります.この平面は (1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1) を通るので,この 33 点を頂点とする一辺 2\sqrt{2} の正三角形になります.
 これが残りの 77((例えば x,z0, y0x,z \geq 0, ~ y \leq 0 の場合など)) についても同じことがいえるので,立体 x+y+z=1|x| + |y| + |z| = 1 は,正三角形を 88 つ貼り付けた正八面体になると分かります.

 以下では上の正八面体を SS と呼びます.


(1)\mathbf{(1)} 断面以外の処理

 平面 x+y+z=0x+y+z = 0SS の表面を 22 等分するのはなんとなく分かると思います.厳密に言うなら SS の表面上の任意の点と,その原点に対しての対称点 ((x,y,z)\big( (x,y,z)(x,y,z))(-x,-y,-z) \big)x+y+z=0x+y+z = 0 をまたぐことから分かります.
 今 SS の表面積は 434\sqrt{3} なので,本問の立体の断面以外の表面積は 232\sqrt{3} です.


(2)\mathbf{(2)} 断面の処理 (本題)

 x+y+z=0x+y+z=0SS のどこらへんで交わりそうか特徴付けをしてみます.どう見つけても良いんですが,x+y+zx+y+z の値に注目してみましょう.SS の頂点は (1,0,0),(0,1,0),(0,0,1) と (1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1) ~ と ~ (-1,0,0),(0,-1,0),(0,0,-1) です.前 33 点と後 33 点で 99 つのペアが作れますが,このペアの中点はどれも x+y+z=0x+y+z=0 上に乗ることが分かります.
(x+y+z=1(x+y+z=1 上の点と x+y+z=1x+y+z=-1 上の点の中点をとって x+y+z=0x+y+z=0 になる点を作り出そうとしている))

 33 点は原点になるので,残りの 66 点を手元に書き込むと,良い感じに正六角形をなしていそうです.(これが正六角形なのかが怪しいですが,対称性を信じると,) 断面は一辺が 22\dfrac{\sqrt{2}}{2} の正六角形なので,面積は 334\dfrac{3\sqrt{3}}{4} と分かります.


 以上より,答えは 23+334=1134\displaystyle 2\sqrt{3} + \frac{3\sqrt{3}}{4} = \frac{11\sqrt{3}}{4} で,求める値は 379\mathbf{379} です.