AB=CD,∠BAD+∠ADC=120∘ から,四角形ABCDの形をしたタイルを6つつなげると下図のように正六角形が2つできることが分かります.あとは等辺の条件を用いて良い感じに角度追跡(後述)をすれば良いです.
注:問題文と点の文字が異なります.また,図を作り間違えてBH=HGにするのを忘れました.心の目で見てください.

良い感じの角度追跡(雑です)
点の記号は上図を参照してください.∠BHG=123.45∘,∠OHG=60∘から∠BHO=176.55∘がわかります.△HBOがHB=HOなる二等辺三角形であることから,∠HBO=1.725∘であり,∠ABO=60∘とあわせ∠ABH=58.275∘であることが分かりました.
一般に,ADをBCにうつす相似拡大の中心(上の条件では六角形の中心)をOとするとき,Oは(完全)四角形ABCDのミケル点と呼ばれます.いろいろと良い性質があるので船旅本の10章を参照することをおすすめします.また,OMCに還元した例としてはOMC100(D)などが挙げられます.
また,類題として以下の問題を紹介します.なお,この問題にはミケル点を使わない比較的単純な解法も存在します.
AB=5,BC=14,CD=8,∠ABC=80∘,∠BCD=40∘
をみたす四角形ABCDについて,辺BC,ADの中点をそれぞれM,Nとしたとき,線分MNの長さを求めよ.
ミケル点を利用した解法
直線ABと直線CDの交点をPとし,円PADと円PBCの交点(=P)をQとする.このとき,円周角の定理から△QAD∼△QBCが成り立ち,これより△QAB∼△QDCが成り立つことがわかる.(この点Qが四角形ABCDのミケル点である.)∠BQC=∠BPC=60∘とQB:QC=AB:DC=5:8より余弦定理からQB=10,QC=16がわかる.△QBCに中線定理を適用すると2(QM2+BM2)=QB2+QC2を得られ,これよりQM=129がわかる.△QADと△QBCの相似で点Mと点Nが対応するので△QAN∼△QBMすなわち△QAB∼△QNMが成り立つので,QM:MN=QB:BA=2:1であるから,MN=2QM=2129を得る.
ミケル点を利用しない解法の概略(表現が雑です)
DNがANにくっつくように四角形NMCDを回転させ四角形ABMNとくっつけます.C,Mが動いた先をC′,M′とすると,四角形BMC′D′は平行四辺形になります.また,角度の条件から良い感じに120∘が出てくるので,余弦定理を利用することにより答えが求まります.