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OMC172

OMC172(C)

ユーザー解説 by noppi_kun

 AB=CD,BAD+ADC=120AB=CD,\angle BAD+\angle ADC=120^\circ から,四角形ABCDABCDの形をしたタイルを66つつなげると下図のように正六角形が22つできることが分かります.あとは等辺の条件を用いて良い感じに角度追跡(後述)をすれば良いです.

注:問題文と点の文字が異なります.また,図を作り間違えてBH=HGBH=HGにするのを忘れました.心の目で見てください.

figure 1

良い感じの角度追跡(雑です)  点の記号は上図を参照してください.BHG=123.45,OHG=60\angle BHG=123.45^\circ, \angle OHG=60^\circからBHO=176.55\angle BHO=176.55^\circがわかります.HBO\triangle HBOHB=HOHB=HOなる二等辺三角形であることから,HBO=1.725\angle HBO=1.725^\circであり,ABO=60\angle ABO=60^\circとあわせABH=58.275\angle ABH=58.275^\circであることが分かりました.


 一般に,ADADBCBCにうつす相似拡大の中心(上の条件では六角形の中心)をOOとするとき,OOは(完全)四角形ABCDABCDのミケル点と呼ばれます.いろいろと良い性質があるので船旅本の10章を参照することをおすすめします.また,OMCに還元した例としてはOMC100(D)などが挙げられます.


 また,類題として以下の問題を紹介します.なお,この問題にはミケル点を使わない比較的単純な解法も存在します.


AB=5,BC=14,CD=8,ABC=80,BCD=40AB=5,BC=14,CD=8,\angle ABC=80^\circ,\angle BCD=40^\circ をみたす四角形ABCDABCDについて,辺BC,ADBC,ADの中点をそれぞれM,NM,Nとしたとき,線分MNMNの長さを求めよ.

ミケル点を利用した解法  直線ABABと直線CDCDの交点をPPとし,円PADPADと円PBCPBCの交点(P)(\neq P)QQとする.このとき,円周角の定理からQADQBC\triangle QAD\sim\triangle QBCが成り立ち,これよりQABQDC\triangle QAB \sim\triangle QDCが成り立つことがわかる.(この点QQが四角形ABCDABCDのミケル点である.)BQC=BPC=60\angle BQC=\angle BPC=60^\circQB:QC=AB:DC=5:8QB:QC=AB:DC=5:8より余弦定理からQB=10,QC=16QB=10, QC=16がわかる.QBC\triangle QBCに中線定理を適用すると2(QM2+BM2)=QB2+QC22(QM^2+BM^2)=QB^2+QC^2を得られ,これよりQM=129QM=\sqrt{129}がわかる.QAD\triangle QADQBC\triangle QBCの相似で点MMと点NNが対応するのでQANQBM\triangle QAN \sim \triangle QBMすなわちQABQNM\triangle QAB \sim \triangle QNMが成り立つので,QM:MN=QB:BA=2:1QM:MN=QB:BA=2:1であるから,MN=QM2=1292MN=\dfrac{QM}{2}=\boxed{\dfrac{\sqrt{129}}{2}}を得る.

ミケル点を利用しない解法の概略(表現が雑です)  DNDNANANにくっつくように四角形NMCDNMCDを回転させ四角形ABMNABMNとくっつけます.C,MC,Mが動いた先をC,MC^\prime,M^\primeとすると,四角形BMCDBMC^\prime D^\primeは平行四辺形になります.また,角度の条件から良い感じに120120^\circが出てくるので,余弦定理を利用することにより答えが求まります.