あまり知られていないと思うので Ceva の定理の同値な形を紹介します.
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Ceva の定理の系
三角形 ABC の辺 BC,CA,AB 上にそれぞれ点X,Y,Zがあるとき,
AX,BY,CZ が 1 点で交わることと sin∠CAXsin∠ABYsin∠BCZsin∠BAXsin∠CBYsin∠ACZ=1 は同値である.
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(証明)
三角形 PQR の面積を ∣△PQR∣ で表します.
CXBX=∣△ACX∣∣△ABX∣=21AC⋅AX⋅sin∠CAX21AB⋅AX⋅sin∠BAX=ACAB⋅sin∠CAXsin∠BAX
となります.
同様に,
YACY=BABC⋅sin∠ABYsin∠CBY
ZBAZ=CBCA⋅sin∠BCZsin∠ACZ
が成り立つので,これらを掛け合わせることで
CXBXAYCYBZAZ=sin∠CAXsin∠ABYsin∠BCZsin∠BAXsin∠CBYsin∠ACZ
となるので,よく知られた Ceva の定理からこの系が真であることがわかります.
(証明終)
∠PAB=θ とします.
上の系を用いると,AP,BP,CP が 1 点で交わっていることから
sin(60∘−θ)sin(60∘−2θ)sin(60∘−3θ)sinθsin2θsin3θ=1
となります.0∘<θ<20∘ において分子は単調増加,分母は単調減少となるので,この式をみたす θ は高々 1 個です.
また,θ=15∘ はこの式をみたすので, ∠PAB=15∘ がわかります.
あとは公式解説と同じように計算すると答えが求まります.