約束
- n=2022,m=10000 とする.
- 数列は 0 -indexed とする.(行列の列番号・行番号も含む)
- 行列 A の (i,j) 成分 (第 i 行第 j 列) を A[i,j] で表す.
以下の条件をすべて満たす n+1 次正方行列 U を整った行列 という.
- i=0<j のとき,U[i,j]=0.
- i=j のとき,U[i,j]=m.
- i<j のとき,U[i,j] は U[i+1,j],U[i,j−1] の最小値よりも小さい.
- i>j のとき,U[i,j]=0.
整った行列 U の整い度 f(U) を,
f(U)=i=1∏n−1j=i∏n−1(U[i,j]−U[i−1,j]U[i,j]−U[i−1,j+1])
と定義する.
整った行列は,「最下行がすべて m であるような n 段の整った三角形」と,整い度の定義も含めて等価で,制約「 an−1,1000=5678 」は「 U[1000,1001]=5678 」と等価.
よって,S は,U[1000,1001]=5678 なる整った行列 U の整い度の総和.
n+1 行 m 列のマス目に,n 以下の整数が書き込まれ,それらが以下の条件をすべて満たすとき,これを整い盤という.
- 第 0 行には,すべて 0 が書かれる.
- 各列で,書かれた数は上から下に単調非減少である.
- 第 i 行には,すべて i 以上の整数が書かれる.
整い盤 B が整った行列 U を表すとは,以下の条件を満たすことをいう.なお,このような U は一意に存在することが証明できる.
- B の第 i 行には,j 以上の整数がちょうど U[i,j] 個書かれる.
第 i−1 行までの書き込み方と,第 i 行における j 未満の整数の書き込み方が既に決まっているとする.( i,j は 1 以上 n 以下の整数)
第 i 行で j を書き込めるマスは,真上のマスが j 以下であるような m−U[i−1,j+1] 個のマスから,j 未満の整数に既に占有されている m−U[i,j] 個のマスを除いた,U[i,j]−U[i−1,j+1] 個のマスである.
この中から U[i,j]−U[i,j+1] 個のマスを選んで j を書き込むのであるから,U を表す整い盤 について,i 行目の j の書き込み方は,i 行目の j−1 までの書き込み方ごとに
(U[i,j]−U[i−1,j]U[i,j]−U[i−1,j+1]) 通り存在する.
よって,整った行列 U の整い度は,U を表す整い盤の個数に等しい.
ある整い盤 B が表す整った行列 U が U[1000,1001]=5678 を満たすことは,B の 1000 行目にちょうど 4322 個の 1000 が書かれていることと同値.
非負整数 k に対し,Ck を k 番目のカタラン数 (=k!(k+1)!(2k)!) とする.
整い盤の一列としてありうる数列は Cn 個で,そのうち第 1000 項が 1000 であるものは C1000⋅Cn−1000 個であるから,
1000 行目にちょうど 4322 個の 1000 が書かれた整い盤の個数は,
10000C4322(C1000⋅Cn−1000)4322(Cn−C1000⋅Cn−1000)5678
であり,これが S に等しい.
これが 2 で割り切れる最大の回数は,ルジャンドルの定理やクンマーの定理により,
7+15×4322+8×5678=110261 と計算できる.