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OMC081 (for experts)

OMC081(E)

ユーザー解説 by tria

 複素が刺さったので複素で解く解法を書きます(したがってこの解説では初等幾何を複素座標での計算で解くのに必要な知識は仮定します).
 まず,Pascalの定理から P,I,QP,I,Q の共線がわかります(しかしこれは使いませんでした).IP=IQIP=IQ をうまく言い換えられないかなと思い立って複素座標で計算することにしました.
 Γ\Gamma を単位円と仮定します(長さの条件に合うようにあとから調節すれば良いです).
 U,T,D,E,I,P,QU,T,D,E,I,P,Q の複素座標をそれぞれ u,t,d,e,i,p,qu,t,d,e,i,p,q とします.IIU,TU,T から引いた接線の交点なので i=2tut+ui=\dfrac{2tu}{t+u} となります.PPDTDTEUEU の交点なので p=dt(e+u)eu(d+t)dteup=\dfrac{dt(e+u)-eu(d+t)}{dt-eu} となり,頑張って計算すると ip=(tu)(tu(d+e)de(t+u))(t+u)(dteu)i-p=\dfrac{(t-u)\bigl(tu(d+e)-de(t+u)\bigr)}{(t+u)(dt-eu)} となります.iqi-q に関しては DDEE を入れ替えるだけでいいので
iq=(tu)(tu(d+e)de(t+u))(t+u)(etdu)i-q=\dfrac{(t-u)\bigl(tu(d+e)-de(t+u)\bigr)}{(t+u)(et-du)} となります.
 IP=IQIP=IQ より ip=iq|i-p|=|i-q| となるので dteu=duet|dt-eu|=|du-et| となります.これより dteu=duet\dfrac{dt}{eu}=\dfrac{du}{et}dteu=etdu\dfrac{dt}{eu}=\dfrac{et}{du} のどちらかが成り立ちます.すなわち,DEDETUTU のどちらかは直径です.TUTU が直径だとすると II が無限遠点になってしまうため DEDE は直径です.
 DAE=90, AD=20, AE=22\angle DAE=90^\circ, ~ AD=20,~ AE=22 から Γ\Gamma の半径が 221\sqrt{221} であることがわかります(884\sqrt{884} と勘違いして1ペナしました).BAC=90\angle BAC=90^\circ より BIC=135\angle BIC=135^\circ がわかります.
 DEDE が直径なので e=de=-d であり,先ほど求めた式に代入すると x=ip=tut+ux=|i-p|=\left|\dfrac{t-u}{t+u}\right| となります(Γ\Gamma が単位円になるように長さを変化させたあとの図であることに注意).
 UIT=135\angle UIT=135^\circ より uutt の偏角の差は 4545^\circ であることがわかり,図を描くと x=tan22.5x=\tan22.5^\circ となります. Γ\Gamma の半径は 221\sqrt{221} なので図を元の長さに戻すと x2=221(322)x^2=221(3-2\sqrt{2}) となり,答えは 663+442+2=1107663+442+2=1107 です.