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OMC071

OMC071(E) - この問題の一般化とオイラーの不等式の証明

ユーザー解説 by shoko_math

 ここでは,この問題の一般化を考えてみましょう.

 鋭角三角形 ABCABC に対し,内心を II として三角形 IBC,ICA,IABIBC,ICA,IAB の外心をそれぞれ X,Y,ZX,Y,Z とすると,well-known factとしてこれらはすべて三角形 ABCABC の外接円上にあります.三角形 ABCABC の外心を O,O, 外接円半径を RR とし,BC=a,CA=b,AB=CBC=a,CA=b,AB=C とすれば,六角形 AZBXCYAZBXCY の面積は四角形 OBXC,OCYA,OAZBOBXC,OCYA,OAZB の面積の和であるから, aR2+bR2+cR2\frac{aR}{2}+\frac{bR}{2}+\frac{cR}{2} で求まりますね.IIYZ,ZX,XYYZ,ZX,XY で折り返したものが A,B,CA,B,C であることに注意すれば,六角形 AZBXCYAZBXCY の面積は三角形 XYZXYZ の面積の 22 倍だとわかります ()\cdots(*).よって,三角形 XYZXYZ の面積は (a+b+c)R4\frac{(a+b+c)R}{4} と分かりました.

 これは,三角形 ABCABC の面積は三角形 ABCABC の内接円半径を rr とすれば (a+b+c)r2\frac{(a+b+c)r}{2} となるという事実に似た式で綺麗ですね!ついでに, XYZABC=R2r\frac{△XYZ}{△ABC}=\frac{R}{2r} が成り立つこともわかります.これにて,この問題の一般化は完了です.

 さて,この問題では ()(*) の事実がカギとなったわけですが,これに似た性質として思い出されるのが,三角形 ABCABC の垂心を HH とすれば,HHBC,CA,ABBC,CA,AB で折り返した点を D,E,FD,E,F とすると,D,E,FD,E,F は三角形 ABCABC の外接円上にあるというものです.
 これにより,六角形 AFBDCEAFBDCE の面積は三角形 ABCABC の面積の 22 倍であることもわかりますね.

 以上のことをまとめると, R2r=XYZABC=六角形AZBXCYの面積六角形AFBDCEの面積\frac{R}{2r}=\frac{△XYZ}{△ABC}=\frac{六角形AZBXCYの面積}{六角形AFBDCEの面積} となるわけですが,X,Y,ZX,Y,Z は弧 BC,CA,ABBC,CA,AB の中点なので XBCDBC,YCAECA,ZABFAB△XBC\geq△DBC,\quad △YCA\geq△ECA,\quad △ZAB\geq△FAB となることに注意すれば, (六角形AZBXCYの面積)(六角形AFBDCEの面積)(六角形AZBXCYの面積) \geq (六角形AFBDCEの面積) であるから,R2rR\geq{2r} が成り立つことが示せました!

 これは,オイラーの不等式と呼ばれる有名な幾何不等式です.
 この問題の一般化からオイラーの不等式に行き着くなんて,びっくりですね!