ここでは,この問題の一般化を考えてみましょう.
鋭角三角形 ABC に対し,内心を I として三角形 IBC,ICA,IAB の外心をそれぞれ X,Y,Z とすると,well-known factとしてこれらはすべて三角形 ABC の外接円上にあります.三角形 ABC の外心を O, 外接円半径を R とし,BC=a,CA=b,AB=C とすれば,六角形 AZBXCY の面積は四角形 OBXC,OCYA,OAZB の面積の和であるから,
2aR+2bR+2cR
で求まりますね.I を YZ,ZX,XY で折り返したものが A,B,C であることに注意すれば,六角形 AZBXCY の面積は三角形 XYZ の面積の 2 倍だとわかります ⋯(∗).よって,三角形 XYZ の面積は
4(a+b+c)R
と分かりました.
これは,三角形 ABC の面積は三角形 ABC の内接円半径を r とすれば
2(a+b+c)r
となるという事実に似た式で綺麗ですね!ついでに,
△ABC△XYZ=2rR
が成り立つこともわかります.これにて,この問題の一般化は完了です.
さて,この問題では (∗) の事実がカギとなったわけですが,これに似た性質として思い出されるのが,三角形 ABC の垂心を H とすれば,H を BC,CA,AB で折り返した点を D,E,F とすると,D,E,F は三角形 ABC の外接円上にあるというものです.
これにより,六角形 AFBDCE の面積は三角形 ABC の面積の 2 倍であることもわかりますね.
以上のことをまとめると,
2rR=△ABC△XYZ=六角形AFBDCEの面積六角形AZBXCYの面積
となるわけですが,X,Y,Z は弧 BC,CA,AB の中点なので
△XBC≥△DBC,△YCA≥△ECA,△ZAB≥△FAB
となることに注意すれば,
(六角形AZBXCYの面積)≥(六角形AFBDCEの面積)
であるから,R≥2r が成り立つことが示せました!
これは,オイラーの不等式と呼ばれる有名な幾何不等式です.
この問題の一般化からオイラーの不等式に行き着くなんて,びっくりですね!