多項式 f(x) に対して pi(f) (i=0,1,…,5) を,f の xk の係数のうち k が 6 で割って i 余るものの総和とする.任意の多項式 f,g および多項式
Q(x)=a5x5+⋯+a1x+a0
に対して,
pi(f+g)=pi(f)+pi(g),pi(Qf)=k=0∑5akpi−k(f)
が成り立つ.ただし,pi(f)=pi+6(f) (−5≤i≤−1) とした.
さて,求める値を pi を用いて言い換える.まず,
Fn(x)=(2024x+x2+⋯+x2024)n
とすると,Fn の xk における係数は n 回操作を行ったときに得られた数字の和が k となる確率と一致するので,P(n,i)=pi(Fn) が成り立つ.また二項定理より,多項式 R(x) が存在して
Fn(x)=(2024x+x2+(1+x+x2+⋯+x5)(x3+x9+⋯+x2019))n=(2024x+x2)n+(1+x+⋯+x5)R(x)
となり,S(x)=(1+x+⋯+x5)R(x) とおくと任意の i,j (0≤i,j≤5) に対して
pi(S)=pj(S)=k=0∑5pk(R)
であるので,
fn(x)=(2024x+x2)n
とおくと
0≤i≤5maxP(n,i)−0≤i≤5minP(n,i)=0≤i≤5maxpi(Fn)−0≤i≤5minpi(Fn)=0≤i≤5maxpi(fn)−0≤i≤5minpi(fn)
となる.ここで,以下の補題が成り立つ.
補題. n を正の整数とし,
gn(x)hn(x)=(−1)n20242n−1x4f2n−1(x)=(−1)n−120242nf2n(x)
に対して
bn,i=pi(gn), cn,i=pi(hn) (i=0,…,5)
とおくと,
{bn,0=bn,5≤bn,1=bn,4≤bn,2=bn,3cn,0≤cn,1=cn,5≤cn,2=cn,4≤cn,3
かつ
{bn,3−bn,0=3n−1cn,3−cn,0=2⋅3n−1
が成り立つ.
補題の証明
帰納法で示す.n=1のとき,
{b1,0=b1,1=bn,4=bn,5=0, b1,2=b1,3=1c1,0=c1,1=c1,5=0, c1,2=c1,4=1, c1,3=2
より成立.n=k で成り立つと仮定する.このときまず bn,3−bn,0 について,
gk+1(x)=(−1)k+1x4(x+x2)2k+1=−(x+x2)2gk(x)=−(x2+2x3+x4)gk(x)
であり,
仮定より
bk+1,3−bk+1,0=−(bk,5+2bk,0+bk,1)+(bk,2+2bk,3+bk,4)=3(bk,3−bk,0)=3k
となって n=k+1 でも成立.同様に bk+1,i と bk+1,j (0≤i<j≤5) の差をみることで,
{bk+1,2=bk+1,3, bk+1,1=bk+1,4, bk+1,0=bk+1,5bk+1,2≥bk+1,1≥bk+1,0
も成り立つので,bk+1,i に関する不等式も成立する. また cn,3−cn,0 について,
x6hk+1(x)=(−1)kx6(x+x2)2k+2=−(x3+x4)gk+1(x)
より,
ck+1,3−ck+1,0=−(bk+1,0+bk+1,5)+(bk+1,2+bk+1,3)=2(bk+1,3−bk+1,0)=2⋅3k
となって n=k+1 でも成り立つ.同様に ck+1,i と ck+1,j (0≤i<j≤5) の差をみることで, ck+1,i に関する不等式も成立する. 以上より示せた.
したがって補題より,
n=1∑∞(0≤i≤5maxP(n,i)−0≤i≤5minP(n,i))=n=1∑∞(0≤i≤5maxpi(fn)−0≤i≤5minpi(fn))=n=1∑∞(20242n−1bn,3−bn,0+20242ncn,3−cn,0)=n=1∑∞(20242n(2024+2)⋅3n−1)=202422026⋅(1−202423)−1=40965732026
であり,特に解答すべき値は 2026+4096573=4098599 である.
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