本解法は, 公式解説と本質的には同じである.
点 X は三角形 ABC の内部にあるので, x,y,z∈R>0,(x+y+z=1) を用いて
OX=xOA+yOB+zOC
と一意に表せる.
RBAR=xy,PCBP=yz,QACQ=zx(∗)
であるから,
f(x,y,z)=RBAR+2d⋅PCBP+4d2⋅QACQ=2d(2dxy+yz+y2dx)
とおくと, これが最小になるための必要条件は,
∂x∂f=∂y∂f=∂z∂f=0(∗∗)
すなわち 2dx=y=z であり, このとき点 X は三角形 ABC の内心 I と一致するので, 2da=b=c (∗∗∗) を得る.
以降は公式解説を参照のこと.
(∗)
点P は AX 上にあるので, k∈R を用いて
OP=OA+AP=OA+kAX=OA+k(OX−OA)=(kx−k+1)OA+kyOB+kzOC
と表せる. また, 点P は 線分 BC 上にあるので, PCBP=l∈R>0 を用いて
OP=1+l1OB+1+llOC
と表せる. 以上より, PCBP=yz を得る. QACQと RBAR も同様である.
(∗∗)
x+y+z=1 より x,y,z は 内 2 つが定まると残り 1 つも定まるので, 実際には等号は 2 つで十分である.
(∗∗∗)
一般に
OI=a+b+caOA+a+b+cbOB+a+b+ccOC
が成り立つ.