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NF杯2023

NF杯2023(D)

 チェバの定理,および相加・相乗平均の不等式より ARRB+2dBPPC+4d2CQQA6d \dfrac{AR}{RB} + 2d\cdot \dfrac{BP}{PC} + 4d^2\cdot \dfrac{CQ}{QA} \geq 6d であり,等号が成立するのはある正の数 kk によって ARRB=4d2k,BPPC=2dk,CQQA=k \dfrac{AR}{RB} = 4d^2k,\quad \dfrac{BP}{PC} = 2dk ,\quad \dfrac{CQ}{QA} = k と表せるときである.このとき,再びチェバの定理より 4d2k2dkk=14d^2k \cdot 2dk \cdot k = 1 なので k=1/2dk = 1/2d. このとき XX は内心なのであったから,XX と各頂点を結んだ 33 直線はいずれも角の 22 等分線であり,辺の比を考えることで 4d2k=2d=ba,2dk=1=cb,k=12d=ac 4d^2k = 2d = \dfrac{b}{a}, \quad 2dk = 1 = \dfrac{c}{b}, \quad k = \dfrac{1}{2d} = \dfrac{a}{c} となる.よって (a,b,c,d)=(a,2da,2da,d)(a,b,c,d) = (a,2da,2da,d) となる.逆にこのように与えられる a,b,ca,b,c は三角不等式を満たしている.
 条件より a+b+c=a(1+4d)=30!a+b+c = a(1+4d) = 30! である.よって 1+4d1+4d は,30!30! の正の約数であって,11 より大きく 44 で割って 11 余るものに対応するので,そのようなものの個数を KK とおく.求める組の個数は KK である.
 ルジャンドルの公式から,30!30! の素因数分解は 30!=22631457741121321719232930! = 2^{26}\cdot 3^{14}\cdot5^{7}\cdot7^{4}\cdot11^{2}\cdot13^{2}\cdot17\cdot 19\cdot 23\cdot 29 となる.N=30!226N = \dfrac{30!}{2^{26}} とおき,NN44 で割って 11 余る 11 より大きい約数の個数を求めればよい.
 NN の任意の 44 で割って 11 余る正の約数 dd に対し,dd2323 で割れるときは d23\dfrac{d}{23}N23\dfrac{N}{23}44 で割って 33 余る正の約数であり,dd2323 で割れないとき ddN23\dfrac{N}{23}44 で割って 11 余る正の約数である.この対応で,30!30! の任意の 44 で割って 11 余る正の約数は,N23\dfrac{N}{23} の正の約数と 1:11:1 に対応する.以上より K=(14+1)(7+1)(4+1)(2+1)2(1+1)31=43199. K = (14 + 1)(7 + 1)(4+1)(2+1)^2(1+1)^3 - 1= \mathbf{43199}.

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