実数 α に対して与式をみたす関数 f を求める.
P(x,y) で与式への代入を表す.f
は全射であるため,任意の実数 s,t に対して f(s′)=s,f(t′)=t なる実数 s′,t′ が存在する.
α=0 のとき
g(x)=(α+2)f(αx)−α4x+2022
とおくと,
P(αu,s′−αu),P(αu,t′−αu),P(αv,s′−αv),P(αv,t′−αv) より
f(s+u)=g(u)+4s′f(t+u)=g(u)+4t′f(s+v)=g(v)+4s′f(t+v)=g(v)+4t′
よって,
f(s+u)+f(t+v)=f(s+v)+f(t+u)
が成立し,x+y=z+w ならば f(x)+f(y)=f(z)+f(w) である.特に
f(x+y)=f(x)+f(y)−f(0)
である.
また,P(0,y) より
f(f(y))=(α+2)f(0)+2022+4y
が成り立つため,これらを用いて与式を変形すると
(α+1)f(0)+4x+f(αx)=(α+2)f(x)
がわかる.
よって,
f(αf(x))=(α+2)f(f(x))−4f(x)−(α+1)f(0)
従って
f(αf(x))−f(αf(0))=(α+2)(f(f(x))−f(f(0)))−4f(x)+4f(0)=4(α+2)x−4f(x)+4f(0)
また,
f(αf(x))=f((α+1)f(0)+4x+f(αx)−2f(x))=f(αf(0))+4f(x)+f(f(0))+f(f(αx))−2f(f(x))−4f(0)=f(αf(0))+4f(x)+4(αx−2x)−4f(0)=f(αf(0))−4f(0)+4f(x)+4(α−2)x
ゆえに,f(x)=2x+f(0) である.
なお,今回出題されているのは α が正整数のときのみについてであるため,Cauchyの関数方程式の要領で
f(αx)=αf(x)−(α−1)f(0)
がわかり,これを用いるとより簡単に f(x)=2x+f(0) がわかる.
よって,f(f(x))=4x+3f(0) より,f(0)=α−12022 である.(ただし,α=1 のときは矛盾.)
また,f(x)=2x+α−12022 は与式をみたす.
α=0 のとき
P(x,0) と P(0,x) を比較して f(x)=2x+f(0) を得る.上と同様に f(0)=−2022 で,f(x)=2x−2022 は与式をみたす.
以上より,α=1 のときは解は存在せず,α=1 のときは f(x)=2x+α−12022 のみが解である.