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OMC卬高杯2

OMC卬高杯2(D)

ユーザー解説 by kkkaaa

 正整数 mm に対して,mm 次関数 fmf_mfm(x)=1m!x(x1)(xm+1)f_m(x)=\dfrac{1}{m!}x(x-1)\cdots(x-m+1) として定義すると, knk=a1f1(n)+a2f2(n)++akfk(n)(1)kn^k=a_1f_1(n)+a_2f_2(n)+\cdots +a_kf_k(n) \tag{1} は正整数 nn に関する恒等式である.ここで knka1f1(n)a2f2(n)akfk(n)kn^k-a_1f_1(n)-a_2f_2(n)-\cdots -a_kf_k(n)nn について高々 kk 次の多項式であるため,因数定理より,これは恒等的に 00 であることがわかる.従って,(1)(1) は任意の実数 nn に関する恒等式である.
 ここで,n=1n=-1 を代入すると, k(1)k=a1(1)+a2(1)2++ak(1)k.k(-1)^k=a_1(-1)+a_2(-1)^2+\cdots+a_k(-1)^k. ゆえに,k=A(k)B(k)k=A(k)-B(k) であるため,これに留意して計算する. k=12020A(k)3B(k)3+2k3A(k)2+B(k)2+k2=k=12020(A(k)B(k))3+3A(k)B(k)(A(k)B(k))+2k3(A(k)B(k))2+2A(k)B(k)+k2=k=120203k3+3kA(k)B(k)2k2+2A(k)B(k)=k=1202032k.\begin{aligned} \sum_{k=1}^{2020} \dfrac{A(k)^3-B(k)^3+2k^3}{A(k)^2+B(k)^2+k^2}&=\sum_{k=1}^{2020}\dfrac{(A(k)-B(k))^3+3A(k)B(k)(A(k)-B(k))+2k^3}{(A(k)-B(k))^2+2A(k)B(k)+k^2}\\ &=\sum_{k=1}^{2020}\dfrac{3k^3+3kA(k)B(k)}{2k^2+2A(k)B(k)}\\ &=\sum_{k=1}^{2020}\dfrac{3}{2}k. \end{aligned} 以上より解答すべき値は 32×2020×20212=3061815\dfrac{3}{2}\times\dfrac{2020\times2021}{2}=\textbf{3061815} である.

 なお,(1)(1)n=1,2,,kn=1,2,\ldots,k を代入して a1,a2,,aka_1,a_2,\ldots,a_k が一意に得られ,上と同様に因数定理を用いることにより,それが問題の条件をみたすことが確認できる.