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OMCE004

OMCE004(D)

 k=0101220241012kx2k=x202620241013x22024\sum_{k = 0}^{1012} 2024^ {1012-k} x^{2k} = \dfrac{x^{2026} - 2024^{1013}}{x^{2} - 2024} であるため,ω=cos2π2026+isin2π2026ω = \cos \dfrac{2\pi}{2026} + i \sin \dfrac{2\pi}{2026} とおくと,方程式が持つ 20242024 個の複素数解は ±2024×ωk(1k1012) \pm \sqrt{2024} × ω^{k} \quad (1 \leq k \leq 1012)

と表されることが分かる.ここで,ωkω^{k} が実数になるための必要十分条件は,2k2026=k1013\dfrac{2k}{2026} = \dfrac{k}{1013} が整数になること,すなわち kk10131013 の倍数になることであり,また, ωk=ωk=1|ω^{k}| = |ω|^{k} = 1 であることから,これは ωk\omega^k が整数になるための必要十分条件であることも分かる.また, 2024\sqrt{2024} が無理数であることから,この問題は次のように言い換えられる.

  • 全部で 20242024 枚のカードがあり,それぞれには 11 つずつ整数が書かれている.また, 11 から 10121012 までの全ての整数について,それが書かれたカードは 22 枚ずつ存在する.全てのカードを区別するとき,これらのカードの中から 11 枚以上かつ偶数枚選んで書かれた整数の和が 10131013 の倍数になるようにする方法は何通りあるか?

 まず,11 枚以上という条件をなくして考える.カードを偶数枚選んで和が 10131013 の倍数になるようにする場合の数を AA,奇数枚選んで和が 10131013 の倍数になるようにする場合の数を BB とする.このとき,A+BA+Bn=0 [x1013n] (x+1)2(x2+1)2(x1012+1)2\sum_{n = 0}^{\infty} \ [x^{1013n}] \ (x + 1)^{2}(x^{2} + 1)^{2}\cdots(x^{1012} + 1)^{2} と表されることが分かる.また,ABA-Bn=0 [x1013n] (x1)2(x21)2(x10121)2\sum_{n = 0}^{\infty} \ [x^{1013n}] \ (x - 1)^{2}(x^{2} - 1)^{2}\cdots(x^{1012} - 1)^{2} と表されることも分かる ( 1-1 が選ばれる回数を考えることにより,BB に対応する項のみがすべて 1-1 倍されることを確認せよ).ただし多項式 pp と非負整数 dd について [xd]p(x)[x^d]p(x)p(x)p(x)xdx^d の係数を表す.以下 f(x)=(x+1)2(x2+1)2(x1012+1)2 f(x) = (x + 1)^{2}(x^{2} + 1)^{2}\cdots(x^{1012} + 1)^{2} g(x)=(x1)2(x21)2(x10121)2 g(x) = (x - 1)^{2}(x^{2} - 1)^{2}\cdots(x^{1012} - 1)^{2} とする.ここで,ωω^{\prime}ω=cos2π1013+i sin2π1013ω^{\prime} = \cos \dfrac{2\pi}{1013} + i \ \sin \dfrac{2\pi}{1013} で定めたとき,整数 kk に対して 1+ωk+ω2k++ω1012k={0(1013k)1013(1013k)1+{ω^{\prime}}^{k}+{ω^{\prime}}^{2k}+\cdots+{ω^{\prime}}^{1012k} = \begin{cases} 0 & (1013 \nmid k) \\ 1013 & (1013 \mid k) \end{cases} であることから, A+B=11013(f(1)+f(ω)+f(ω2)++f(ω1012))A+B = \dfrac{1}{1013} \left( f(1) + f(ω^{\prime}) + f({ω^{\prime}}^{2}) + \cdots + f({ω^{\prime}}^{1012}) \right) AB=11013(g(1)+g(ω)+g(ω2)++g(ω1012))A-B = \dfrac{1}{1013} \left( g(1) + g(ω^{\prime}) + g({ω^{\prime}}^{2}) + \cdots + g({ω^{\prime}}^{1012}) \right)

が成り立つことが分かる.いま, F(x)=(xω)(xω2)(xω1012)=x1012+x1011++x+1 F(x) = (x - ω^{\prime})(x - {ω^{\prime}}^{2})\cdots(x - {ω^{\prime}}^{1012}) = x^{1012} + x^{1011} + \cdots + x + 1 と定義すると,整数 1k10121 \le k \le 1012 に対して f(ωk)=F(1)2=1 f({ω^{\prime}}^{k}) = F(-1)^2 = 1 および g(ωk)=F(1)2=10132 g({ω^{\prime}}^{k}) = F(1)^2 = 1013^2 がわかる.これと f(1)=22024,g(1)=0f(1) = 2^{2024}, g(1) = 0 を合わせて, A+B=22024+10121013,AB=10121013 A+B = \dfrac{2^{2024} + 1012}{1013}, \quad A-B = 1012 \cdot 1013 がわかるので, A=12026×(22024+1012+1012×10132)A = \dfrac{1}{2026} × (2^{2024} + 1012 + 1012 × 1013^{2}) が従う.カードを一枚も選ばない場合を除かなくてはいけないため,求めるべきは A1A-110091009 で割った余りであり,フェルマーの小定理を用いるなどすればこれは 668\mathbf{668} と分かる.

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