k=0∑101220241012−kx2k=x2−2024x2026−20241013
であるため,ω=cos20262π+isin20262π とおくと,方程式が持つ 2024 個の複素数解は
±2024×ωk(1≤k≤1012)
と表されることが分かる.ここで,ωk が実数になるための必要十分条件は,20262k=1013k が整数になること,すなわち k が 1013 の倍数になることであり,また, ∣ωk∣=∣ω∣k=1 であることから,これは ωk が整数になるための必要十分条件であることも分かる.また, 2024 が無理数であることから,この問題は次のように言い換えられる.
- 全部で 2024 枚のカードがあり,それぞれには 1 つずつ整数が書かれている.また, 1 から 1012 までの全ての整数について,それが書かれたカードは 2 枚ずつ存在する.全てのカードを区別するとき,これらのカードの中から 1 枚以上かつ偶数枚選んで書かれた整数の和が 1013 の倍数になるようにする方法は何通りあるか?
まず,1 枚以上という条件をなくして考える.カードを偶数枚選んで和が 1013 の倍数になるようにする場合の数を A,奇数枚選んで和が 1013 の倍数になるようにする場合の数を B とする.このとき,A+B は n=0∑∞ [x1013n] (x+1)2(x2+1)2⋯(x1012+1)2
と表されることが分かる.また,A−B は
n=0∑∞ [x1013n] (x−1)2(x2−1)2⋯(x1012−1)2
と表されることも分かる ( −1 が選ばれる回数を考えることにより,B に対応する項のみがすべて −1 倍されることを確認せよ).ただし多項式 p と非負整数 d について [xd]p(x) で p(x) の xd の係数を表す.以下
f(x)=(x+1)2(x2+1)2⋯(x1012+1)2
g(x)=(x−1)2(x2−1)2⋯(x1012−1)2
とする.ここで,ω′ を ω′=cos10132π+i sin10132π で定めたとき,整数 k に対して
1+ω′k+ω′2k+⋯+ω′1012k={01013(1013∤k)(1013∣k)
であることから,
A+B=10131(f(1)+f(ω′)+f(ω′2)+⋯+f(ω′1012))
A−B=10131(g(1)+g(ω′)+g(ω′2)+⋯+g(ω′1012))
が成り立つことが分かる.いま,
F(x)=(x−ω′)(x−ω′2)⋯(x−ω′1012)=x1012+x1011+⋯+x+1
と定義すると,整数 1≤k≤1012 に対して f(ω′k)=F(−1)2=1 および g(ω′k)=F(1)2=10132がわかる.これと f(1)=22024,g(1)=0 を合わせて,
A+B=101322024+1012,A−B=1012⋅1013
がわかるので,
A=20261×(22024+1012+1012×10132)
が従う.カードを一枚も選ばない場合を除かなくてはいけないため,求めるべきは A−1 を 1009 で割った余りであり,フェルマーの小定理を用いるなどすればこれは 668 と分かる.
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