公式解説の x,y,z の置き方は,やや特殊に見えるので,より自然な置換でも解けることを記しておく.
a−b=x,b−c=y,c−d=z とおくと,文字が一つ減って見通しが良くなりそうだ.しかし (a−c)2+(b−d)2 があまり綺麗になってくれない.そこで a−c=x,c−b=y,b−d=z という置換を考えてみよう.このとき,問いは次のように書き換えられる.
問.整数 x,y,z が以下の式を満たすとき,x2+z2 が取りうる 500 以下の正整数値の総和を求めよ.
x2+y2+z2+(x+y)2+(y+z)2+(x+y+z)2=9000
左辺を展開すると 3x2+4y2+3z2+4xy+4yz+2zx=9000 となる.x と z を対称的に扱いたいので,y について降べきの順に整理しよう.さらに式をよく見ると,次のような式変形が考えられる.
4y2+4(x+z)y+3x2+3z2+2zx=4y2+4(x+z)y+(x+z)2+2(x2+z2)=(2y+x+z)2+2(x2+z2)
x2+z2≤500 より (2y+x+z)2≥8000 である.あとは 2y+x+z=90,92,94 の場合について,適当な x,z 組が存在するかを検証すればよい.