X2 の最高位の数を取り除いてできる数を,整数 Y を用い Y2 とおく.また条件を順に (a),(b),(c) とする.X≥4 と (b),(c) より,ある正整数 n が存在して
(X+Y)(X−Y)=2n+3×5n⋯(1),10n>Y2⋯(2)
が成り立つ(このとき n+1 は X2 の桁数と一致する).
簡単な議論により,(1) をみたす (X,Y) の組はある i,j (0≤i≤n+1,0≤j≤n) を用いて次の形に表されるとわかる.
(X,Y)=(2i×5j+2n+1−i×5n−j,2i×5j−2n+1−i×5n−j)
これを (2) に代入して整理すれば次が得られる (t=22i52j とおき,t の二次不等式を解くことで得られる) .
10n<22i×52j<4×10n⋯(3)
また (a) より X は 10 の倍数でないため,i=0,i=n+1,j=0,j=n のうち少なくとも一つが成立しなければならない.必要ならば (i,j) を (n+1−i,n−j) で置き換えることで i=0 および j=0 の場合のみ考えればよい.また j=0 の場合 (3) より10n<22i<4×10n であり i≤n+1 に注意すればこれをみたすのは (n,i)=(1,2) のみだが,これは i=n+1 をみたしているから i=0 の場合に帰着される.よって結局 i=0 として構わない.
(3) より10n<52j<4×10n である.両辺の常用対数を取り 2log102<1 に注意すれば,
0<{2(1−log102)j}<2log102⋯(4) をみたす j を考えればよい.ただし {x} で実数 x の小数部分を表す.よって,j を小さい方から試すことで,6 番目に小さい(4)を満たす j は 9 であることが分かるが,より一般に,j≤49 の範囲で(4)を満たす j は j≡1,3,4(mod5) であることを以下のようにして示すことができる:
j≤49 では次が成り立つ.
1.4j−0.196≤1.396j<2(1−log102)j<1.398j≤1.4j
{1.4j} のとり得る値は 0,0.2,0.4,0.6,0.8 であることに注意すれば,j≤49 ならば次が成り立つ.
{1.4j−0.196}<{2(1−log102)j}<{1.4j−0.196}+0.196
0.602<2log102<0.604 に注意すれば,j≤49 の範囲で (4) をみたす j は jmod5=1,3,4 なる j であることがわかる.
以上より,求める値は j=9 のときに得られ,このとき n=12 であるから,求める値は X=59+213×53=2977125 である.
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