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OMC212

OMC212(F) - 方べきの定理・トレミーの定理等を利用した別解

ユーザー解説 by Tempurabc

(きちんと読むのが面倒な方向けに)本別解のハイライト
 点 MM の周りの方べきの定理を用いて,MAMB=MYMZMA \cdot MB = MY \cdot MZ である(わからなければ公式解説の点 ZZ^{\prime} を参考にせよ).


 以下,各点の名称は,公式解説と同じものを用いている(定義も改めて記す).
 点 ZZ を含む方の弧 ABAB の中点を PP,点 YY を含む方の弧 ABAB の中点を QQ とする.このとき,33Y,X,PY, X, P 及び Z,X,QZ, X, Q はこの順に同一直線上にある(理由は公式解説を参照).
 なお,このことから AYX=BYX\angle AYX = \angle BYX が成り立ち,AX:BX=2:1AX:BX=2:1,同様にして AZ:BZ=2:1AZ:BZ=2:1 も示せる.

 また,YMB=ZMB\angle YMB=\angle ZMB である.これについては公式解説と別の証明を与える.
 44M,X,Y,QM, X, Y, Q は共円である(QMX=90,QYX=QYP=90\because \angle QMX=90^{\circ}, \angle QYX=\angle QYP=90^{\circ}).これより,YQX=YMX\angle YQX= \angle YMX が従う.
 同様に,44M,X,Z,PM, X, Z, P について考えて,ZPX=ZMX\angle ZPX= \angle ZMX
 円周角の定理より,YQX=YQZ=YPZ=ZPX\angle YQX= \angle YQZ = \angle YPZ = \angle ZPX であり,これより YMB=ZMB\angle YMB=\angle ZMB が従う.
 ここで,点 YYZZ から 直線 ABAB に垂線を下ろし,その足をそれぞれ HHII とする.
 YMB=ZMB\angle YMB=\angle ZMB より MH:MI=MY:MZ=3:5MH:MI=MY:MZ=3:5 であり,このことから,NZ=52YZNZ= \dfrac{5}{2}YZ が従う.従って,以下は YZYZ を求めることが目標となる.


 以上で準備が整った.あとは,適当な図形に諸定理を活用していこう.
 AM=mAM=m とおく.中線定理より YM=40m2YM=\sqrt{40-m^2} を得,これより ZM=5340m2ZM=\dfrac{5}{3} \sqrt{40-m^2} である.
 点 MM の周りの方べきの定理を用いて,MAMB=MYMZMA \cdot MB = MY \cdot MZ である(わからなければ公式解説の点 ZZ^{\prime} を参考にせよ).これを用いて m=5m=5 を得る.
 ABZ\triangle ABZ に再度中線定理を利用して,AZ=8310AZ=\dfrac{8}{3}\sqrt{10}BZ=4310BZ=\dfrac{4}{3}\sqrt{10}
 最後に四角形 AYBZAYBZ にトレミーの定理を利用して YZ=321515YZ=\dfrac{32}{15}\sqrt{15} を得る.
 なお,最終的に求めたいものは,NZ=52YZNZ=\dfrac{5}{2}YZ であったことに注意せよ.