点 Y を含まない方の弧 AB の中点を P,点 Y を含む方の弧 AB の中点を Q とする.このとき,3 点 Y,X,P 及び Z,X,Q がこの順に同一直線上に並ぶことをまず示す.
以下,円 Ω の中心を O,円 Ω1 の中心を O1,円 Ω2 の中心を O2 とする.このとき,P が弧 AB の中点であることから PO⊥AB が従い,また,明らかに O1X⊥AB であるため,PO∥O1X が従い, Y,O1,O がこの順に一直線上に並ぶことと合わせて,∠YO1X=∠YOP が導かれる.そして,YO1=O1X,YO=OP から ∠O1YX=∠OYP が従い,直線 YO に関して X と P が同じ側にあることと合わせて,Y,X,P がこの順に同一直線上に並ぶことが示された.3 点 Z,X,Q が同一直線上に並ぶことについても,同様にして示される.
これより,AP=BP から
∠AYX=∠AYP=∠BYP=∠BYX
となり, AX:BX=AY:BY=2:1 と分かる.同様にして,∠AZX=∠BZX,及び AZ:BZ=AX:BX=2:1 も分かる.ここで,円 Ω の周上に点 Z′ を,ZZ′∥BA を満たすように取ったとする.このとき,∠ZAB=∠AZZ′ より,AZ′=BZ が従い,四角形 AZ′ZB は等脚台形と分かる.よって,AZ′:Z′B=BZ:ZA=1:2 と分かり, YZ′ と AB の交点を M′ とおくと,
AM′:M′B=AY×AZ′:BY×BZ′=1:1
となることが分かる.よって,M′ と M は一致し,3 点 Y,M,Z′ が同一直線上に並ぶことが分かる.このとき,
∠YMB=∠YAM+∠AYM=∠YAB+∠AYZ′=∠YAB+∠BAZ=∠YAZ
が導かれる.(最後から 2 番目の等号に AZ′=BZ を用いた.) 同様にして,∠ZMB=∠YAZ も導かれる.よって,∠YMZ=2∠YAZ=∠YOZ が分かり,4 点 Y,M,O,Z は共円と分かる.また,YZ と AB の交点を L とすると,∠YML=∠ZML から,YL:ZL=YM:ZM=3:5 である.また,∠AYB+∠AZB=180∘ より sin∠AYB=sin∠AZB であるので
YA×YB:ZA×ZB=△AYB:△AZB=AB×YL:AB×ZL=3:5
が従う.これと,ZA:ZB=2:1 を合わせると,ZA=3815, ZB=3415 が得られる.また,∠AYB+∠AZB=180∘,つまり,cos∠AYB+cos∠AZB=0 を用いて,三角形 AYB と三角形 AZB に余弦定理を適用すると,AB=10,及び,cos∠AYB=−165 が得られる.よって, sin∠AYB=16231 が分かり,正弦定理より,円 Ω の半径が 23180 と分かる.
そして,3 点 N,M,O がこの順に一直線上に並ぶこと,及び 4 点 Y,M,O,Z が共円であることから,三角形 NYM と三角形 NOZ が相似であると分かる.よって,NM:NZ=YM:OZ,及び,∠NMY=∠NZO
が分かる.三角形 AYB に中線定理を適用することで,YM=15 が分かり,かつ OZ=23180 であることから,NM:NZ=3385:80 と分かる.また,
∠OMZ=90∘−∠ZMB=90∘−∠YMB=∠NMY=∠OZN
より,三角形 OMZ と三角形 OZN が相似とも分かる.よって,OM×ON=OZ2=2316400 が従う.OM=OB2−BM2=23125 より, ON=231256 が分かり,NM=ON−OM=231 が分かる.よって,NM:NZ=3385:80 より,NZ=1580 が分かり,NZ2=31280 が分かる.特に,解答すべき値は 1283 となる.
解説YouTubeが存在しません.