公式解説より易しいとは思いませんが,次のような立式をした場合はどうなるのか,に対する回答です.
2024C1+2023C2⋅2+2022C3⋅22+⋯+1013C1012⋅21011
(立式に至るまでのプロセス)
公式解説と同様に,一番左上のマスを黒色で塗った場合を考える.ある列を 2 行とも黒で塗った場合,その隣接する列を 2 行とも黒で塗ることはできない.よって,2024 列のうち 2 行とも黒である列を,左から x1,x2,⋯,xn 列目とすると,その数列が満たすべき条件は,
1≤x1<x2<⋯<xn≤2024,xn+1−xn≥2
であり,その値は 2025−nCn となる(なお,n は 1 以上 1012 以下を動く変数である).
さらに,問題文の条件を満たすためには,1 列目から x1 列目までは上の行をずっと黒で塗り,x1 列目から x2 列目までは上下いずれかの行をずっと黒で塗り,⋯,xn 列目から 2024 列目までは下の行をずっと黒で塗ればよい.このような塗り方は 2n−1 通りである.
以上の議論から,最初に記した式を得る.
(最初の式を解く)
Sn=nC0+n−1C1⋅2+n−2C2⋅22+⋯+n−⌊2n⌋C⌊2n⌋⋅2⌊2n⌋
とおく.いま求めたい値は,2×2S2025−1 である.
数列 {Sn} について漸化式を作りたい.床関数が厄介なので,n<k の範囲で nCk=0 であると定義する.このように定義すれば,Sn=k=0∑nn−kCk 2k であり,また重要なこととして nCk+nCk+1=n+1Ck+1 が満たされる.
Sn+1=k=0∑n+1n+1−kCk 2k=1+k=1∑n+1n+1−kCk 2k=1+2k=0∑nn−kCk+1 2k
と変形すると,
Sn+1+2Sn=1+2k=0∑nn−kCk+1 2k+2k=0∑nn−kCk 2k=1+2k=0∑nn+1−kCk+1 2k=1+k=0∑nn+1−kCk+1 2k+1=1+k=1∑n+1n+2−kCk 2k=Sn+2
を得る.あとは,S1=1,S2=3 より漸化式を解いて Sn=32n+1+(−1)n となる.
(余談)
ほぼ同様の発想で,
Sn=nC0+n−1C1+n−2C2+⋯+n−⌊2n⌋C⌊2n⌋
とおくとき,Sn はフィボナッチ数列になることが示されます.
証明したことがない人は是非やってみてください.