O が円 ADE 上にあることの証明です.
三角形 ABC の垂心,外心をそれぞれ H,O とする.円 ADE と円 ABC の交点を Q とする.∠BDC=∠BEC=90∘ より B,D,E,C は共円であるから,円 BDEC,円 ADE,円 ABC の根心を考え AQ,DE,BC は共点.この点を X とする.ところで,A と P は DE について対称であるから,∠AXD=∠PXD である.また,∠DQX=∠AED=∠ACB より,D,Q,X,C は共円.よって,
∠QDA=∠QXC=2∠QXD=2∠QCD=∠QOA より,O は円 ADE 上にある.
なお,この解説における点 Q は特に本選以降などの証明問題でよく登場し,面白い性質がたくさんあるので,幾何を得意にしたい方は知っておくことをおすすめします.せっかくなのでここにその性質について少し書いてみようと思います.
性質1 : BC の中点を M とする.Q,H,M は共線である.
QH と円 ABC の交点を X とする.∠AQX=90∘ より AX は円 ABC の直径だから,X と H は M について対称である.よって,H,M,X は共線であるから,Q,H,M は共線.
性質2 : AH と円 ABC の交点を T(=A),B,C における円 ABC の接線の交点を S とする.Q,T,S は共線である (また,QT は三角形 QBC の ∠Q 内の symmedian である.)
∠QBE=∠QCD, ∠QEA=∠QDA より三角形 QEB と QDC は相似.また,三角形 HBE と HCD も相似であるから,QB:QC=BE:CD=BH:CH=BT:CT より四角形 QBCT は調和四角形である.よって示された.
また,(Q,E,H,D,M) と (Q,B,T,C,S) の 5 点相似から示すこともできる.