より正確には,組 (x1,x2,x3,x4)∈{−6,0,6}4 が異なれば
x1+10x2+100x3+1000x4
の値も異なることを示さなければいけません.これを示すことを目標にします.
ヒント
対偶を取って,以下を示せばよいですね.ここで,xi,yi がすべて {6,0,−6} の元であることを仮定しています.
x1+10x2+100x3+1000x4=y1+10y2+100y3+1000y4 ⟹ (x1,x2,x3,x4)=(y1,y2,y3,y4)
「順番に見ていく」というのがヒントです.より具体的には,〇〇の位から見ていくと示せます.
解答
「ヒント」タブの命題を,一般に n 変数の場合で証明しよう.すなわち,x1,x2,⋯,xn,y1,y2,⋯,yn∈{−6,0,6} について,以下の命題:
x1+10x2+⋯+10n−1xn=y1+10y2+⋯+10n−1yn ⟹ (x1,x2,⋯,xn)=(y1,y2,⋯,yn)
を示そう.n=1 の場合は示すべきことはない.
n=k の場合に成立していると仮定する.
x1+10x2+⋯+10kxk+1=y1+10y2+⋯+10kyk+1
が成立するとすると,10 で割った余りを考えることで,x1=y1 が従う.よって,
10x2+⋯+10kxk+1=10y2+⋯+10kyk+1
x2+10x3+⋯+10k−1xk+1=y2+10y3+⋯+10k−1yk+1
が順に従う.仮定を適用すれば,(x2,x3,⋯,xk+1)=(y2,y3,⋯,yk+1) を得る.x1=y1 と合わせることで,n=k+1 の場合も成立することが得られる.従って,帰納法より示された.
雑談. P⇒Q の形の命題があるとき,P を前件,Q を後件と呼ぶらしいです.聞いたことなかったです.
雑談2. 解答から分かるように,{6,0,−6} ではなくても,要素を 10 で割った余りがすべて異なれば同様のことが言えますね.