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OMC209 (for beginners)

OMC209(C) - 解説補足

ユーザー解説 by zplc

 より正確には,組 (x1,x2,x3,x4){6,0,6}4(x_1, x_2, x_3, x_4) \in \{-6, 0, 6\}^4 が異なれば x1+10x2+100x3+1000x4x_1 + 10x_2 + 100 x_3 + 1000 x_4 の値も異なることを示さなければいけません.これを示すことを目標にします.

ヒント  対偶を取って,以下を示せばよいですね.ここで,xi,yix_i, y_i がすべて {6,0,6}\{6, 0, -6\} の元であることを仮定しています. x1+10x2+100x3+1000x4=y1+10y2+100y3+1000y4      (x1,x2,x3,x4)=(y1,y2,y3,y4)x_1 + 10x_2 + 100 x_3 + 1000 x_4 = y_1 + 10y_2 + 100 y_3 + 1000 y_4 \implies (x_1, x_2, x_3, x_4) = (y_1, y_2, y_3, y_4) 「順番に見ていく」というのがヒントです.より具体的には,〇〇の位から見ていくと示せます.

解答  「ヒント」タブの命題を,一般に nn 変数の場合で証明しよう.すなわち,x1,x2,,xn,y1,y2,,yn{6,0,6}x_1, x_2, \cdots, x_n, y_1, y_2, \cdots , y_n \in \{-6, 0, 6\} について,以下の命題: x1+10x2++10n1xn=y1+10y2++10n1yn      (x1,x2,,xn)=(y1,y2,,yn)x_1 + 10x_2 + \cdots + 10^{n-1} x_{n} =y_1 + 10y_2 + \cdots + 10^{n-1} y_{n} \implies (x_1, x_2, \cdots, x_n) = (y_1, y_2, \cdots , y_n) を示そう.n=1n=1 の場合は示すべきことはない.
 n=kn=k の場合に成立していると仮定する. x1+10x2++10kxk+1=y1+10y2++10kyk+1x_1 + 10x_2 + \cdots + 10^{k} x_{k+1} =y_1 + 10y_2 + \cdots + 10^{k} y_{k+1} が成立するとすると,1010 で割った余りを考えることで,x1=y1x_1 = y_1 が従う.よって, 10x2++10kxk+1=10y2++10kyk+110x_2 + \cdots + 10^{k} x_{k+1} =10y_2 + \cdots + 10^{k} y_{k+1} x2+10x3++10k1xk+1=y2+10y3++10k1yk+1x_2 + 10x_3 + \cdots + 10^{k-1} x_{k+1} =y_2 + 10y_3 +\cdots + 10^{k-1} y_{k+1} が順に従う.仮定を適用すれば,(x2,x3,,xk+1)=(y2,y3,,yk+1)(x_2, x_3, \cdots, x_{k+1}) = (y_2, y_3, \cdots, y_{k+1}) を得る.x1=y1x_1=y_1 と合わせることで,n=k+1n=k+1 の場合も成立することが得られる.従って,帰納法より示された.


 雑談. PQP\Rightarrow Q の形の命題があるとき,PP を前件,QQ を後件と呼ぶらしいです.聞いたことなかったです.
 雑談2. 解答から分かるように,{6,0,6}\{6,0,-6\} ではなくても,要素を 1010 で割った余りがすべて異なれば同様のことが言えますね.