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OMC206

OMC206(E) - やや愚直な数え上げ方での解法

ユーザー解説 by Ungifted

 一般に正 nn 角柱 P1P2PnQ1Q2QnP_1P_2…P_nQ_1Q_2…Q_n の塗り分けを考える.また Pn+1,Qn+1P_{n+1}, Q_{n+1} をそれぞれ P1,Q1P_1, Q_1 に塗った色と同じとし,三色の並びについて赤 \rarr\rarr\rarr 赤の順を「正の順」,赤 \rarr\rarr\rarr 赤を「負の順」と定義する.条件を満たす塗り方について,(Pk,Qk)(P_k, Q_k) の色と (Pk+1,Qk+1)(P_{k+1},Q_{k+1}) の色は「正負が同じ順で色の組みが異なるもの」もしくは「正負が違う順で色の組みが同じもの」のどちらかとなる.(( 例えば (P1,Q1)=((P_1,Q_1)=( 赤,青 )) のとき (P2,Q2)(P_2,Q_2)(( 青,緑 )) (( 緑,赤 )) (( 青,赤 )) のいずれかである ))
 したがって正 nn 角形 A1A2AnA_1A_2…A_n の各頂点に赤,青,緑を割り振って,さらに正負を一つ定めることで「 (P1,Q1)(P_1,Q_1) が定めた正負の順で,Pk,Qk,AkP_k, Q_k, A_k が全て異なる色にする」という手順で (Pn,Qn)(P_n,Q_n) まで色を決定できる.この手順で AkA_kAk+1A_{k+1} が同色の時,(Pk,Qk)(P_k,Q_k)(Pk+1,Qk+1)(P_{k+1},Q_{k+1}) は正負が違う順となるので,(P1,Q1)(P_1,Q_1)(Pn+1,Qn+1)(P_{n+1},Q_{n+1}) が一致するためには,正 A1A2AnA_1A_2…A_n 角形の辺で両端点の色が同一のものが偶数本である必要がある.逆に偶数本であれば条件を満たす P1P2PnQ1Q2QnP_1P_2…P_nQ_1Q_2…Q_n の塗り分けを決定できる.以上から,「正 nn 角形 A1A2AnA_1A_2…A_n の各頂点を赤,青,緑で塗り分ける方法で,両端点が同一色の辺が偶数本であるものの個数」を求めれば良い.これを pnp_n 通りとする.
 まず,正 nn 角形 A1A2AnA_1A_2…A_n の各頂点に赤,青,緑を同一色が隣り合わないように割り振る方法を ana_n 通りとしてこれを求める.a2=6,a3=6,a4=18a_2=6, a_3=6, a_4=18 であり,an+2a_{n+2}An+2A_{n+2}AnA_n が同一色のとき (=an(=a_n 通り ))An+1A_{n+1} の色は 22 通りあり,An+2A_{n+2}AnA_n が異なる色のとき (=an+1(=a_{n+1} 通り ))An+1A_{n+1} の色は 11 通りなので an+2=an+1+2ana_{n+2}=a_{n+1}+2a_n となる.これを解き an=2n+2(1)na_n=2^n+2(-1)^n が得られる.
 p2np_{2n} 通りの中で両端点が同一色の辺が 2m2m 本であるものは,a2n2ma_{2n-2m} 通りそれぞれについて A1,A2A2n2m,A2n2m+1A_1,A_2…A_{2n-2m},A_{2n-2m+1} から重複を許して 2m2m 個を選び「 AkA_k が選ばれたとき辺 AkAk+1A_kA_{k+1} 上に AkA_k と同じ色の点を増やす,A2n2m+1A_{2n-2m+1} が選ばれたときは辺 A2n2mA1A_{2n-2m}A_1 上に A1A_1 と同じ色の点を増やす」という操作と対応させられるので p2n=m=0na2n2m×2n2m+1H2m=m=0n(22n2m+2)2nC2m=(2+1)2n+(21)2n2+((1+1)2n+(11)2n)=32n+12+22np_{2n}=\displaystyle\sum_{m=0}^na_{2n-2m} \times {}_{2n-2m+1}\mathrm{H}_{2m}= \displaystyle\sum_{m=0}^n(2^{2n-2m}+2){}_{2n}\mathrm{C}_{2m}=\dfrac{(2+1)^{2n}+(2-1)^{2n}}2 +((1+1)^{2n}+(1-1)^{2n})=\dfrac{3^{2n}+1}2 +2^{2n} となる.これに (P1,Q1)(P_1,Q_1) の順の正負を考えることで,条件を満たす塗り分けの方法は nn が偶数の場合 3n+2n+1+13^n+2^{n+1}+1 で表されることがわかる.あとは本解説と同様に求めれば良い.