一般に正 n 角柱 P1P2…PnQ1Q2…Qn の塗り分けを考える.また Pn+1,Qn+1 をそれぞれ P1,Q1 に塗った色と同じとし,三色の並びについて赤 → 青 → 緑 → 赤の順を「正の順」,赤 → 緑 → 青 → 赤を「負の順」と定義する.条件を満たす塗り方について,(Pk,Qk) の色と (Pk+1,Qk+1) の色は「正負が同じ順で色の組みが異なるもの」もしくは「正負が違う順で色の組みが同じもの」のどちらかとなる.( 例えば (P1,Q1)=( 赤,青 ) のとき (P2,Q2) は ( 青,緑 ) ( 緑,赤 ) ( 青,赤 ) のいずれかである )
したがって正 n 角形 A1A2…An の各頂点に赤,青,緑を割り振って,さらに正負を一つ定めることで「 (P1,Q1) が定めた正負の順で,Pk,Qk,Ak が全て異なる色にする」という手順で (Pn,Qn) まで色を決定できる.この手順で Ak と Ak+1 が同色の時,(Pk,Qk) と (Pk+1,Qk+1) は正負が違う順となるので,(P1,Q1) と (Pn+1,Qn+1) が一致するためには,正 A1A2…An 角形の辺で両端点の色が同一のものが偶数本である必要がある.逆に偶数本であれば条件を満たす P1P2…PnQ1Q2…Qn の塗り分けを決定できる.以上から,「正 n 角形 A1A2…An の各頂点を赤,青,緑で塗り分ける方法で,両端点が同一色の辺が偶数本であるものの個数」を求めれば良い.これを pn 通りとする.
まず,正 n 角形 A1A2…An の各頂点に赤,青,緑を同一色が隣り合わないように割り振る方法を an 通りとしてこれを求める.a2=6,a3=6,a4=18 であり,an+2 は An+2 と An が同一色のとき (=an 通り ) ,An+1 の色は 2 通りあり,An+2 と An が異なる色のとき (=an+1 通り ) ,An+1 の色は 1 通りなので an+2=an+1+2an となる.これを解き an=2n+2(−1)n が得られる.
p2n 通りの中で両端点が同一色の辺が 2m 本であるものは,a2n−2m 通りそれぞれについて A1,A2…A2n−2m,A2n−2m+1 から重複を許して 2m 個を選び「 Ak が選ばれたとき辺 AkAk+1 上に Ak と同じ色の点を増やす,A2n−2m+1 が選ばれたときは辺 A2n−2mA1 上に A1 と同じ色の点を増やす」という操作と対応させられるので
p2n=m=0∑na2n−2m×2n−2m+1H2m=m=0∑n(22n−2m+2)2nC2m=2(2+1)2n+(2−1)2n+((1+1)2n+(1−1)2n)=232n+1+22n
となる.これに (P1,Q1) の順の正負を考えることで,条件を満たす塗り分けの方法は n が偶数の場合 3n+2n+1+1 で表されることがわかる.あとは本解説と同様に求めれば良い.