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OMC192 (for experts)

OMC192(C)

 S=p+q+r+s+t+u+v+wS = p + q + r + s + t + u + v + w とおく.与えられた等式を変形することで, p2145t=q2145u=r2145v=s2145w\frac{p^2 - 145}{t} = \frac{q^2 - 145}{u} = \frac{r^2 - 145}{v} = \frac{s^2 - 145}{w} が得られる.p11p \leq 11 のときは p2145t<q2145u\dfrac{p^2 - 145}{t} \lt \dfrac{q^2 - 145}{u} となるので p13p \geq 13 が必要である.つまり与えられた 88 つの素数はすべて 1313 以上である.
 一般に 22 でも 33 でも割り切れない整数 nn はすべて,n2n^22424 で割ると余りが 11 となることが確かめられる.このことから,1313 以上の素数から正整数への関数 FF を以下のように定めることができる. F(x)=x214524F(x) = \frac{x^2 - 145}{24}

 F(p),F(q),F(r),F(s)F(p), F(q), F(r), F(s) の最大公約数を gg としたとき,F(p):F(q):F(r):F(s)=t:u:v:wF(p) : F(q) : F(r) : F(s) = t : u : v : w より F(p)=gt,F(q)=gu,F(r)=gv,F(s)=gwF(p) = gt, \quad F(q) = gu, \quad F(r) = gv, \quad F(s) = gw であることが分かる.また,1313 以上の素数から相異なる 55 つを選んだとき,これらの最大値と最小値の差の絶対値は 1212 以上であることが確かめられるので,tp+12t \geq p + 12 が成り立ち,したがって F(p)g(p+12)F(p) \geq g(p + 12) が得られる.
 g=1g = 1 のとき,不等式 F(p)p+12F(p) \geq p + 12 を満たす pp の範囲は p37p \geq 37 であり,F(p),F(q),F(r),F(s)F(p), F(q), F(r), F(s) はいずれも素数となる必要がある.そこで 3737 以上の素数 xx であって F(x)F(x) が素数となるものを小さい順に列挙すると 43,59,61,67,...43, 59, 61, 67, ... であり, F(43)=71,F(59)=139,F(61)=149,F(67)=181F(43) = 71,\quad F(59) = 139,\quad F(61) = 149,\quad F(67) = 181 が成り立つ.よって (p,q,r,s,t,u,v,w)=(43,59,61,67,71,139,149,181)(p, q, r, s, t, u, v, w) = (43, 59, 61, 67, 71, 139, 149, 181)

は,g=1g = 1 で条件を満たす組のうち SS が最小となるものであり,このとき S=770S = 770 である.
 g=2g = 2 のとき,不等式 F(p)2(p+12)F(p) \geq 2(p + 12) を満たす pp の範囲は p61p \geq 61 であり,F(p)F(p) は素数の 22 倍となる必要があるが,F(x)F(x) が素数の 22 倍となるような 6161 以上の素数 xx のうち最も小さいのは x=79x = 79 であり,F(79)=2×127F(79) = 2 \times 127 が成り立つ.したがってこの場合では p79,t127p \geq 79, t \geq 127 が必要となるので, S79+83+89+97+127+131+137+139>770S \geq 79 + 83 + 89 + 97 + 127 + 131 + 137 + 139 \gt 770

である.g3g \geq 3 のときについては F(p)3(p+12)F(p) \geq 3(p + 12) であるから p89p \geq 89 が必要となるため, S89+97+101+103+107+109+113+127>770S \geq 89 + 97 + 101 + 103 + 107 + 109 + 113 + 127 \gt 770

が得られる.
 以上より,SS の最小値は 770\mathbf{770} である.

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