S=p+q+r+s+t+u+v+w とおく.与えられた等式を変形することで,
tp2−145=uq2−145=vr2−145=ws2−145
が得られる.p≤11 のときは tp2−145<uq2−145 となるので p≥13 が必要である.つまり与えられた 8 つの素数はすべて 13 以上である.
一般に 2 でも 3 でも割り切れない整数 n はすべて,n2 を 24 で割ると余りが 1 となることが確かめられる.このことから,13 以上の素数から正整数への関数 F を以下のように定めることができる.
F(x)=24x2−145
F(p),F(q),F(r),F(s) の最大公約数を g としたとき,F(p):F(q):F(r):F(s)=t:u:v:w より
F(p)=gt,F(q)=gu,F(r)=gv,F(s)=gw
であることが分かる.また,13 以上の素数から相異なる 5 つを選んだとき,これらの最大値と最小値の差の絶対値は 12 以上であることが確かめられるので,t≥p+12 が成り立ち,したがって F(p)≥g(p+12) が得られる.
g=1 のとき,不等式 F(p)≥p+12 を満たす p の範囲は p≥37 であり,F(p),F(q),F(r),F(s) はいずれも素数となる必要がある.そこで 37 以上の素数 x であって F(x) が素数となるものを小さい順に列挙すると 43,59,61,67,... であり,
F(43)=71,F(59)=139,F(61)=149,F(67)=181
が成り立つ.よって
(p,q,r,s,t,u,v,w)=(43,59,61,67,71,139,149,181)
は,g=1 で条件を満たす組のうち S が最小となるものであり,このとき S=770 である.
g=2 のとき,不等式 F(p)≥2(p+12) を満たす p の範囲は p≥61 であり,F(p) は素数の 2 倍となる必要があるが,F(x) が素数の 2 倍となるような 61 以上の素数 x のうち最も小さいのは x=79 であり,F(79)=2×127 が成り立つ.したがってこの場合では p≥79,t≥127 が必要となるので,
S≥79+83+89+97+127+131+137+139>770
である.g≥3 のときについては F(p)≥3(p+12) であるから p≥89 が必要となるため,
S≥89+97+101+103+107+109+113+127>770
が得られる.
以上より,S の最小値は 770 である.
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