n を 2≤n≤10000 なる整数とする. σ(n)≥n+1 であり,また,以下 3 つの事実が成り立つ.
- n が素数のとき,σ(n)=n+1
- n が素数の平方のとき,σ(n)=n+n+1
- n が正の約数を 4 つ以上もつとき,σ(n)>n+2n+1
なお,上から 3 番目の事実は,ab=n かつ 1<a<b<n を満たす n の約数 a,b を選ぶことで,相加平均・相乗平均の大小関係によって次のように示すことができる.
σ(n)≥1+a+b+n>1+2ab+n=n+2n+1
上の三つを用いれば,以下の場合分けから求める最小値は 79218012 と分かるので,特に解答すべき値は 15933 である.
- n が素数の場合
2σ(σ(2))=2 が確かめられ,n≥3 だとすると少なくとも 1,2n+1,n+1 の 3 つが n+1 の約数であることに注意すれば,
σ(σ(n))=σ(n+1)≥23n+5
が得られる.したがってこの場合 nσ(σ(n))>23 である.
- n が素数の平方の場合
σ(σ(972))=σ(9507)=1+3+3169+9507=12680
より 972σ(σ(972))=940912680 であり,8011 が素数であることに注意すれば,
σ(σ(892))=σ(8011)=8012
より 892σ(σ(892))=79218012 が得られる.n<892 だとすれば
nσ(σ(n))=nσ(n+n+1)≥nn+n+2=1+n1+n2>1+8921+8922=79218012
が成り立つ.したがってこの場合 nσ(σ(n)) は n=892 のときに最小値 79218012 をとる.
- n が正の約数を 4 つ以上もつ場合
nσ(σ(n))≥nσ(n)+1>nn+2n+2=1+n2+n2≥1+100002+100002=50005101
なので,これより nσ(σ(n))>79218012 であることが分かる.