d を n の正の約数とする.gcd(k,n)=d となる必要十分条件は, k が d の倍数かつ gcd(dk,dn)=1 となることである.したがって,gcd(k,n) を固定して数え上げると,
f(n)=d∣n∑d×ϕ(dn)=d∣n∑dn×ϕ(d)=nd∣n∑dϕ(d)
を得る.ここで, g(d)=dϕ(d) は乗法的関数(任意の互いに素な正整数 ℓ,m に対して g(ℓm)=g(ℓ)g(m) が成り立つ関数)であるから,
nd∣n∑dϕ(d)=np∣n∏k=0∑ordp(n)pkϕ(pk)=np∣n∏⎝⎛1+k=1∑ordp(n)pp−1⎠⎞=np∣n∏p(p−1)ordp(n)+p=p∣n∏pordp(n)−1((p−1)ordp(n)+p)
となる.ここで p が奇素数のとき,pordp(n)−1((p−1)ordp(n)+p) は奇数になるから,
ord2(f(n))=ord2(ord2(n)+2)+ord2(n)−1
となる.いま e=ord2(n)+2 とおくと問題文の条件は
ord2(e)+e=22023+2059
と同値である.e≤22023 のとき,ord2(e)+e≤2023+22023 より不適である.e>22023 のとき,e=22023+2059−t( t は 2059 未満の非負整数)とおくと,ord2(2059−t)=t より t=0,1,3,11,すなわち e=22023+2048+k( k=0,8,10,11 )のとき適することがわかる. 以上より,ord2(f(n))=22023+2056 の必要十分条件は ord2(n)=22023+2046+k( k=0,8,10,11 )が成り立つことである.これを満たす正整数 n は周期的であることに留意して,10000 番目に小さい正整数 n は 19891×222023+2046 と求まる.よって,求めるべき値は 19891+22023+2046≡876(mod1009) である.