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OMC182

OMC182(C)

 全体を,頂点が正 3n3n 角形の頂点,辺(有向)が各頂点とその頂点から操作を一回行った時のコインの行き先の頂点を結ぶ有向グラフとみなす.このグラフが閉路を持つのは明らかであり,その閉路の大きさの最小値は nn であるから,条件を満たす頂点はこのときの閉路上のすべての頂点のみである.
 従って,条件を満たす頂点は mod 3\bmod\ 3 で等しい頂点 nn 個の組でなければならず,これらの頂点にはすべて 33 が書き込まれていることがわかる.
 ここで上記のように頂点 nn 個の組からなる閉路を持ち,かつ,他にも閉路を持つとき,その閉路は頂点をちょうど nn 個持つ.  

証明  まず, nn 個の頂点の組からなる閉路の頂点の組を mod 3\bmod\ 300 と等しい nn 個の頂点の組としても一般性を失わない.
 他にも Ai(i1(mod3))A_i(i \equiv 1\pmod3) を含む閉路が存在するとき,AiA_i からのコインの行先は Ai+2A_{i+2} もしくは Ai+3A_{i+3} となるが,この閉路には,mod 3\bmod\ 300 と等しい頂点を持たないから,AiA_i からのコインの行先は Ai+3A_{i+3} であり,Ai+3A_{i+3} も閉路に属す.
 以下,同様に繰り返すことで,この閉路の頂点の組は mod 3\bmod\ 311 と等しい nn 個の頂点の組であることがわかる.
 また, Ai(i1(mod3))A_i(i \equiv 1\pmod3) を含まない他の閉路が存在するとき,この閉路は mod 3\bmod\ 300 と等しい頂点を持たないから,この閉路は mod3\bmod 322 と等しい nn 個の頂点の組からなることがわかる.
 よって,いずれの場合も閉路を構成する頂点の個数は nn 個である.(証明終)

 ここで,長さ nn の閉路をちょうど二つ持つ書き込み方は 3×2n33\times2^{n}-3 通り,ちょうど三つ持つような書き込み方は 11 通りであるから an=3×22n2×(3×2n3)3×1=3×4n6×2n+3 \begin{aligned} a_n &=3 \times 2^{2n}-2 \times (3 \times 2^{n}-3)-3 \times 1 \\ &=3 \times 4^{n}-6 \times 2^{n}+3 \end{aligned} である.あるいは,長さ nn の閉路の選び方 33 通りに,閉路を 11 つずつずらした nn 頂点の決め方 (2n1)2(2^n-1)^2 を乗じることでも同じ表式を得る.
 よって求めるべき値は n=12023an=n=12023(3×4n6×2n+3)3×n=174n6×n=1142n+3×2023=3×48436×(2152)+3×20234+12+6069=6077(mod216) \begin{aligned} \sum_{n=1}^{2023}a_n &=\sum_{n=1}^{2023}(3 \times 4^{n}-6 \times 2^{n}+3) \\ & \equiv 3 \times \sum_{n=1}^{7}4^{n}-6 \times \sum_{n=1}^{14}2^{n}+3 \times 2023\\ &=3 \times \frac{4^{8}-4}{3}-6 \times (2^{15}-2)+3 \times 2023 \\ & \equiv -4+12+6069\\ &=\mathbf{6077} \pmod{2^{16}} \end{aligned} である.

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