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OMC174 (for experts)

OMC174(E)

 一般に P\mathcal P を凸 2n2n 角形として考える.相異なる 22 頂点を結ぶ線分の長さを,22 点の間にある辺の本数(のうち大きくない方)と定義する.
 着色された線分の長さが奇数ならば,必ず偶数本の着色された線分と交わり,長さが偶数ならば,必ず奇数本の着色された線分と交わる.よって,この問題では,長さが偶数の着色された線分同士の交点の個数の(相加)平均を求めればよい.
 着色する nn 本の選び方すべてについて,長さが偶数の着色された線分同士の交点の個数の総和を SnS_n とおく.(着色の有無によらない)長さが偶数の線分同士のある交点に着目するとき,この点が「長さが偶数の着色された線分同士の交点」として計上され SnS_n に寄与する回数は,この点を通る線分以外の n2n-2 本の選び方の場合の数 (2n42)(2n62)(22)×1(n2)!=(2n4)!2n2(n2)!(1)\dbinom{2n-4}{2}\dbinom{2n-6}{2}\cdots\dbinom{2}{2}\times\dfrac{1}{(n-2)!}=\dfrac{(2n-4)!}{2^{n-2}(n-2)!}\quad\cdots(1) に等しい.(着色の有無によらない)長さが偶数の線分同士の交点の個数は,2n2n 個の頂点から相異なる 44 点を選ぶとき,隣り合う点の間にある辺の本数が (i) すべて偶数である場合の数と (ii) すべて奇数である場合の数の和に等しい.

  • (i) は,1a<b<c<d2n1\leq a\lt b\lt c\lt d\leq 2n をみたし,すべての偶奇が一致する整数の組 (a,b,c,d)(a, b, c, d) の数に等しい.
  • (ii) は,1a<b<c<d2n1\leq a\lt b\lt c\lt d\leq 2n をみたし,偶数と奇数が互い違いに並ぶ (a,b,c,d)(a, b, c, d) の数に等しい.これは,1a<b+1<c+2<d+32n+31\leq a\lt b+1\lt c+2\lt d+3\leq 2n+3 をみたし,すべての偶奇が一致する (a,b+1,c+2,d+3)(a, b+1, c+2, d+3) の数に等しい.

したがって,(着色の有無によらない)長さが偶数の線分同士の交点の個数は, (n4)×2+(n+24)+(n+14)=16(n1)n(n22n+3)(2)\dbinom{n}{4}\times2+\dbinom{n+2}{4}+\dbinom{n+1}{4}=\dfrac{1}{6}(n-1)n(n^2-2n+3)\quad\cdots(2)  SnS_n は (1), (2) の積である.また,着色する nn 本の選び方の総数は, (2n2)(2n22)(22)×1n!=(2n)!2nn!\dbinom{2n}{2}\dbinom{2n-2}{2}\cdots\dbinom{2}{2}\times\dfrac{1}{n!}=\dfrac{(2n)!}{2^{n}n!} であるから,求める平均値は, Sn×2nn!(2n)!=(n1)n(n22n+3)6(2n1)(2n3)S_n\times\dfrac{2^{n}n!}{(2n)!}=\dfrac{(n-1)n(n^2-2n+3)}{6(2n-1)(2n-3)} とわかる.n=100n=100 を代入すれば,(分母と分子が 66 で割り切れることに注意して)特に解答すべき値 16214153\bm{16214153} を得る.

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