解法1. 与式を利用して適当に加減を行うことで, 多項式
P(x)=x(x−1)(x−2)(x−333)(x−335)⋯(x−2021)
について以下が成立する.
S=k=0∑2021P(k)ak=−(334!)×(2021−334)!×a334
したがって, 求める m は結局 334!×(2021−334)! が 5 で割り切れる回数 500 である.
解法2. 与式を利用して適当に加減を行うことで, 0≤i<2021 なる整数 i に対し以下の成立が分かる:
0Pi×a0+1Pi×a1+⋯+2021Pi×a2021=0⋯⋯(1)
ただし 0P0=1, n<r のとき nPr=0 とする. これを用いて, 0≤i≤2021 なる任意の整数 j に対し,
aj=(−1)2021−j2021Cj×a2021⋯⋯(2)
であることを帰納法によって示す. ただし通常の帰納法と逆順に辿るものとする. すなわち, ある整数 k<2021 に対し, j>k で成立を仮定し, j=k での成立を示す. ここで j=2021 の場合は明らかであることに留意せよ.
(1) で i=k としたものから始め, 帰納法の仮定および sCt×tPu=s−uCt−u×sPu を利用することで
k!×ak=−(k+1Pk×ak+1+⋯+2021Pk×a2021)=−{(−1)2021−k−1k+1Pk×2021Ck+1+⋯+(−1)02021Pk×2021C2021}a2021=−{(−1)2021−k−12021−kC1+⋯+(−1)02021−kC2021−k}2021Pk×a2021=(−1)2021−k2021Pk×a2021
ただし最後は二項定理である. これより成立が示され, 特に
−334!×(2021−334)!×a334=2021×a2021
に留意すれば, 以下のように変形できる.
S=k=0∑2021k2021ak=a2021k=0∑2021k2021(−1)2021−k2021Ck=2021!×a2021=−(334!)×(2021−334)!×a334
ただし, 途中の等号は包除原理の発想による. したがって, 解法1と同様に求める m は 500 である.
補足. A の母関数 f をとる. すなわち
f=a0x0+a1x1+⋯+a2021x2021
このとき, 与条件は「整数 0≤i<2021 に対し f(i)(1)=0」と言いかえられる. すなわち 1 は f の 2021 重根であるから, f が高々 2021 次であることと併せて f=a2021(x−1)2021 と表せ, 特に (2) が成立する.
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