直線 RH と Γ の交点を S (S=R) とする.H と P は直線 AC に関して対称であり,H と Q は直線 AB に関して対称であるから,A を中心とし H を通る円を Ω とすると,Ω は P,Q を通る.線分 AR が Γ の直径であることから ∠APR=∠AQR=90∘ であり,Ω は直線 PR,QR とそれぞれ P,Q で接する.また,O を中心とし,M,N を通る円を ω とすると,ω は R を中心として Ω を 21 に相似拡大した円である.よって,ω は直線 PR,QR とそれぞれ M,N で接する.線分 BC の中点を L とすると,OL=21AH であり,線分 OL と直線 BC は直交するから,ω は L で直線 BC に接する.
補題 (La Hire's theorem). 円 γ と,γ の中心とは異なる 2 点 I,J に対して,J が I の極線上にあるならば, I は J の極線上にある.
証明
γ の中心を O とし,γ に関する反転で I,J がうつる点を I′, J′ とする.I の極線 l は,I′ を通り OI に垂直な直線であるから, γ に関する反転で l が移る円を ω とすると,OI は ω の直径となる.J が l 上にあることから,J′ は ω 上にあり,∠IJ′O=90∘ である.よって,I は J′ を通り,OJ に垂直な直線,すなわち J の極線上にある.
直線 MN は ω に関する R の極線であり,X は直線 MN 上にあるから,補題より直線 RL は X の極線である.よって,直線 XO と直線 RS は直交し,特に ∠XRS=∠XSR が成り立つ.また,三角形 AHO と三角形 RXH は相似であるから,∠HAO=∠XRH が成り立つ.よって,直線 AH と SX の交点を D とすると,
∠DSH=∠XSR=∠XRH=∠HAO=∠DAR
が成り立つから,D は Γ 上にある.D は直線 AH と Γ の A でない方の交点であるから, BC に関して H と対称であり,∠XDH=∠XHD が成り立つ.また,円周角の定理より ∠XDH=∠HRO であるから,∠XHD=∠HRO である.再び三角形 RXH と三角形 AHO の相似より,∠RHX=∠AOH であるから,∠SHX=∠HOR である.以上より,
∠SHD=∠SHX+∠XHD=∠HOR+∠HRO=∠OHS
を得る.また,∠SDH=∠ORS=∠OSH であるから,三角形 SHD と三角形 OHS は相似であり,特に ∠DSH=∠SOH である.よって,∠SOH=∠DSH=∠RAH=∠ROL
であり,OS=OR であることとあわせて,H と L が OX に関して対称であることが分かる.これより,OH=OL であるから,AH=2OL=2OH であり,SH=HL=LR であるから,HR=2SH である.また,H と L の対称性より,∠XHL=∠XLH であるから,H から直線 AR に下した垂線の足を E とすると,
∠HOE=∠XHL=∠XLH=∠DRS=∠HAS
が成り立ち,∠HEO=∠HSA=90∘ とあわせて三角形 HOE と三角形 HAS は相似であることが分かる.よって,三角形 SHE と三角形 AHO は相似となり,AH=2HO より,SH=2HE となる.HR=2SH であったから,HR=2SH=4HE であり,三角形 RHE と三角形 RAS は相似であるから,AR=4AS が分かる.
以上より,Γ の半径を r とおくと,
AR=2r,AS:AR=1:4,SH:HR=1:2
が成り立つから,三平方の定理などを用いて計算することで,
AH=36r,tan∠HAS=315
を得る.H と L が OX に関して対称であることから,∠OHX=∠OLX=90∘ であり,三角形 AHO と三角形 RXH の相似により,XR=AH⋅OHHX=AH⋅tan∠HOXが成り立つ.また,四角形 OLXH は円に内接するから,円周角の定理より,∠HOX=∠HLX=∠HAS である.以上より,XR=AH⋅tan∠HOX=AH⋅tan∠HAS=36r⋅315=310r
と計算できるから,r=2024 を代入することで,XR=3202410 を得る.特に解答すべき値は 40965769 である.
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