平面 AER を p とする.A,E,F,G,M,P,Q,R はすべて p 上にあることに注意する.E1,E2,E3 および E′ をそれぞれ
EE1=EB+EC
EE2=EC+ED
EE3=ED+EB
EE′=EB+EC+ED
となるようにとると,これらの 4 点はどれも μ 上にあり ∠BEC=∠CED=∠DEB=90° より EBE1C−DE3E′E2 は直方体である.この直方体の対角線の交点を O とすると,O から各頂点までの距離は等しいので O は μ の中心である.ここで,平面 AEO による μ の断面を ω とすると,線分 EE′ は ω の直径なので ∠EAE′=90° つまり平面 BCD と直線 AE′ は平行である.よって,直線 AE と平面 BCD との交点を H とすると
EHAH=∣EBCD∣∣ABCD∣=∣EBCD∣∣E′BCD∣
となる (ただし,∣XYZW∣ で四面体 XYZW の体積を表す) が,これは EBE1C−DE3E′E2 が直方体であることから
EHAH=∣EBCD∣∣E′BCD∣=2
と計算できる.また,四面体 BCDE′ は等面四面体なので,E′ から平面 BCD へ下ろした垂線の足を H′,三角形 BCD の外心を O′ とすると,四面体 BCDE′ の展開図を考えることで H′ は三角形 ABC の垂心と O′ に関して対称であることがわかるが,直線 OO′ が平面 BCD と直交することから H は三角形 BCD の垂心であることがわかる.
OO′EH=GO′GH=2,∠EHG=∠OO′G=90°
より △EHG∼△OO′G,つまり G は直線 EO 上にある.
p 上の点について考察する.上の議論より O,O′ は p 上にある.E を中心とする半径 EA⋅EG の円による反転の後 ∠AEG の二等分線に関して鏡映する操作を i とする.i によって直線 GH は ω に移ることに注意する.ω の A での接線と直線 GH との交点を T とすると
∡EAT=∡EE′A=∡EGT
より A,E,G,T は同一円周上にある.
∡AET=∡FGT=∡FGE+∡EGT=∡FGE+∡EFG=∡FEG
より i によって T は F に移るので,直線 ET と ω との交点のうち E でない方を R′ とすると
∡GER′=∡GEF+∡FER′=∡TEA+∡PET=∡PEA
より i によって P は R′ に移る.よって,△AET∼R′EG なので,直線 GH 上に ∡EIG=∡ER′G=∡EAP となるよう点 I をとると E,G,I,R′ と A,E,I,P はそれぞれ同一円周上にあるので
∡GIR′=∡GER′=∡PEA=∡AIG
より A,I,R′ は同一直線上にある.
∡GEI=∡EGI+∡GIE=∡EAT+∡PAE=∡EQA+∡QAE=∡QEA
より i によって I は Q に移るので,i によって A は G,P は R′ に移ることとあわせて G,Q,R′ は同一直線上にある.つまり,R′ は R と一致する.
ここで,三垂線の定理より ∠OTS=90° なので S の μ に対する方べきは
OS2−OA2=AT2+ST2=AS2
である.また,直線 OM は平面 ERS と直交するので平面 ERS による μ の断面は線分 ER を直径とする円となる.S のこの円に対する方べきは μ に対する方べきと等しいので
EM2=MS2−AS2=1
ER=2EM=2
となる.
一方,直線 OO′ と直線 AG との交点を N とすると △AEG∼△NOG であり,この相似で E′ と E がそれぞれ対応するので ∠ENO=∠E′AE=90° である.よって,N に関して E と対称な点を J とすると J は直線 EN と ω との交点のうち E でない方である.NG:AG=1:2 より
FNAN=FG−NGAG+GN=5073−211+21=1625
であり,∠FJN=∠GAH と方べきの定理から
ANEN=JNFN=54
がわかる.∡EFR=∡EPT より FR∥PT∥EJ であることと三平方の定理などから
O′H=EN=JN=JF⋅JFJN=ER⋅JFJN=310
AH=32NEAE⋅JN=35
EH=21AH=65
と求まる.
直線 BH と三角形 BCD の外接円との交点のうち B でない方を K とすると,A,B,E,K を含む円について方べきの定理を用いることで
BH⋅KH=AH⋅EH=1825
がわかるので
O′B2=O′H2+BH⋅KH=225
となる.また,線分 BK の中点を L とすると ∠O′LS=∠O′TS=90° より O′,L,S,T は同一円周上にあるので,これと A,E,G,T が同一円周上にあることから
HS=AS2−AH2=325
HL=HSHO′⋅HT=23HSHG⋅HT=23HSAH⋅EH=855
LS=LH+HS=24315
BL2=SL2−SB⋅SK=LS2−AS2=5761925(∵Sのμに対する方べき)
と求まる.よって
BH+KH=2BL=1441925,BH⋅KH=AH⋅EH=1825
より の解 α,β はそれぞれ BH,KH と対応している.さらに,直線 BH と 直線 CD との交点を U,線分 CD の中点を V とすると U は線分 KH の中点であり,BH=2O′V なので
BU=BH+21KH
CD=2CV=2O′C2−O′V2=2O′B2−(21BH)2=50−BH2
となる.
以上より,α+β=1441925,αβ=1825 に注意すると多面体 ABCDE の体積としてありうる値の総積は
∏31AE(21BU⋅CD)=57625(2α+β)(2β+α)(50−α2)(50−β2)=57625(2(α+β)2+αβ)α2β2−50((α+β)2−2αβ)+2500=18432156254090
なので,答える値は 38147 である.
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