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NF杯2024

NF杯2024(E) - 漸化式を立てずに数え上げ その2

ユーザー解説 by Lim_Rim_

 いわゆる simasima special (参考: https://mathlog.info/articles/nNX6dXUeyb35vYurGP5l ) の簡単な適用例として最後の数え上げを行う.    本解のように xi=yi2x_i = \frac{y_i}{2} とおく.  yi{0,1,2,3,4}y_i\in \{ 0,1,2,3,4 \} であり,y1++y10y_1 + \dots + y_{10} が偶数であるような組 (y1,,y10)(y_1,\dots, y_{10}) の個数を求めればよい.

 集合 A,BA, BA={0,1,2,3}A = \{ 0,1,2,3 \}, B={4}B = \{ 4\} とおく.yiAy_i \in A であるかどうかで列 Y=(y1,,y10)Y = (y_1,\dots, y_{10})(A,B,)(A,B,\dots) のように変換した列を TT とおく.

 T=(B,,B)T = (B,\dots, B) であるとき,すべての iiyi=4y_i = 4 であり,明らかに条件を満たす.  TTAAa1a \geq 1 個含む列であるとする(このような TT10Ca{}_{10}\mathrm{C}_{a} 個ある).その AA を一つ選び,それが kk 番目であるとする.このとき,iki\neq k を満たす yiy_i をどのように選んでも (4a14^{a-1}通り),ちょうど2つの ykAy_k \in A が存在して yk+ikyi0(mod2)y_k + \sum_{i\neq k} y_i \equiv 0\pmod{2} にできるので,24a12\cdot 4^{a-1} 通り条件を満たす組が見つかる.  これらと二項定理より a10=1+a=11024a110Ca=1+12{(4+1)101}=510+12 \begin{aligned} a_{10} &= 1 + \sum_{a=1}^{10} 2\cdot 4^{a-1}{}_{10}\mathrm{C}_{a} = 1 + \frac{1}{2}\{ (4+1)^{10} - 1\} \\ &= \frac{5^{10} + 1}{2} \end{aligned} を得る.