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NF杯2024

NF杯2024(M) - 漸化式と帰納法による解法

ユーザー解説 by igma

 n×nn\times n のマス目に対して輝く書き込みおよび輝度を同様に定め,すべての輝く書き込みの輝度を足し合わせた値を ana_n とおく.また,a0=1a_0=1 とする.

 n3n\geq 3 とし,ana_nan1,,a1,a0a_{n-1},\dots ,a_1,a_0 を用いて表す.まず 111111 列目に書き込まれているとき,残りの数字の書き込み方は (n1)×(n1)(n-1)\times (n-1) のマス目の輝く書き込み方と等しい.よってこの場合の輝度の和は 2an1.2a_{n-1}.

 1111ii 列目 (2in)(2\leq i\leq n) に書き込まれているとき,iiii 列目に書き込むことが出来ないので,ii の書き込み方は (n1)(n-1) 通りある.そのうち iiii11 列目に書き込む場合,残りの数字の書き込み方は (n2)×(n2)(n-2)\times (n-2) のマス目の輝く書き込み方に等しいので,この場合の輝度の和は an2a_{n-2}.残りの (n2)(n-2) 通りの場合,すなわち iiiijj 列目 (j1,i)(j\neq 1,i) に書き込む場合,jj の書き込み方は (n2)(n-2) 通りだが,そのうち jj11 列目に書き込む場合の輝度の和は上と同様に考えて an3a_{n-3}.以下同様に考えていくと,1111ii 列目 (2in)(2\leq i\leq n) に書き込まれる場合の輝度の和は

k=0n2n2Pkank2\sum_{k=0}^{n-2}{}_{n-2}\mathrm{P}_{k}a_{n-k-2}

である.これが任意の i=2,,ni=2,\dots ,n で成り立ち,かつ 11ii11 列目 (i1)(i\neq 1) に書き込まれる場合も同様であるので,全ての場合を足し合わせて

an=2k=0n1n1Pkank1=2k=0n1(n1)!(nk1)!ank1a_n=2\sum_{k=0}^{n-1}{}_{n-1}\mathrm{P}_{k}a_{n-k-1}=2\sum_{k=0}^{n-1}\frac{(n-1)!}{(n-k-1)!}a_{n-k-1}

と表せる.ここで,ak=(k+1)!a_k=(k+1)! (k=1,,n1)(k=1,\dots, n-1) と仮定すると

2k=0n1(n1)!(nk1)!ank1=2k=0n1(n1)!(nk1)!(nk)!=2k=0n1(nk)(n1)!=2n(n+1)2(n1)!=(n+1)!\begin{aligned} 2\sum_{k=0}^{n-1}\frac{(n-1)!}{(n-k-1)!}a_{n-k-1}&=2\sum_{k=0}^{n-1}\frac{(n-1)!}{(n-k-1)!}(n-k)!\\ &=2\sum_{k=0}^{n-1}(n-k)(n-1)!\\ &=2\cdot \frac{n(n+1)}{2}(n-1)!\\ &=(n+1)! \end{aligned}

となるので,a1=2!,a2=3!a_1=2!, a_2=3! より帰納法が成立し,任意の正整数 nn に対して an=(n+1)!a_n=(n+1)! となる.特に a999=1000!a_{999}=1000! であり,ルジャンドルの定理より求める答えは 249\mathbf{249} である.