置換の言葉を用いて記述し,母関数で場合の数を計算できることをみる.
N=999 とし,{1,…,N} の置換の集合を SN とする.条件より,1,…,n の数字はどれもちょうど1回ずつ書き込まれ,さらにどの行にもちょうど1回数字がちょうど表れる.
そこで,「i列目 τ(i) 行目に数字 σ(i) が書き込まれている」とする (σ,τ∈SN, i=1,2,…,N ). 条件を満たすような (σ,τ) の個数を求めればよいが,条件は,次のように言い換えられる.
- 任意の l=1,2,…,N に対して「σ(l)=l ならば τ(σ−1(l))=lである」が真.
σ の固定点が m 個,τ の固定点が n 個であるとし(0≤n,m≤N),σ の固定点を p1,…,pm とおく.k 項の攪乱順列の個数 (モンモール数) を ak とおくと,
- σ の選び方は,固定点の選び方とそれ以外の攪乱順列による置換を考えて, NCmaN−m 通り取れる.
- τ は条件より,補集合 {1,…,n}∖{p1,…,pm} 上で τ=σ と決定されるから,特にそこでは固定点が存在しない.よって,{p1,…,pm} 上で固定点が n 個の置換となればよいから, n≤m であり,mCnam−n 通り取れる.
また,輝き度は 2n である.よって,次の総和を計算すればよい.
0≤n≤m≤N∑(NCm⋅aN−m⋅mCn⋅am−n⋅2n)
n=p, m−n=q, N−m=r と変換すると 0≤p,q,r≤Nであり,
0≤n≤m≤N∑(NCm⋅aN−m⋅mCn⋅am−n⋅2n)=p+q+r=N∑(NCp+q⋅ar⋅p+qCp⋅aq⋅2p)=N!p+q+r=N∑(r!ar⋅q!aq⋅p!2p)=N2e2x=N−2=NxN+…)=(N+1)!
ただし,モンモール数の指数型母関数が ∑k≥0k!akxk=1−xe−x であることを用いた.
以上より,求める答えは
v5(1000!)=200+40+8+1=249