特に断らない限り合同式は 5 を法とする.f(1)=1 は 5 の倍数ではない.n≥2 において,
f(n)=k=1∑ngcd(n,k)nk=nd∣n∑1≤k≤ngcd(n,k)=d∑dk=nd∣n∑1≤m≤n/dgcd(n/d,m)=1∑m=nd∣n∑1≤m≤dgcd(d,m)=1∑m
ここで,d 以下の d と互いに素な正の整数の個数を φ(d) とすると,
1≤m≤dgcd(d,m)=1∑m=⎩⎪⎨⎪⎧12dφ(d)(d=1)(d>1)
が成り立つ.実際,d=1 のときは明らかで,d>1 のとき,m が d 以下の d と互いに素な正の整数ならば d−m もそうであるので,d 以下の d と互いに素な整数の値の平均は 2d である.よってそのような整数の総和は 2dφ(d) となる.
恒等写像およびオイラー関数 φ は乗法的であるので,関数 nφ(n) も乗法的である.したがって素数 p1,…,pℓ と正の整数 e1,…,eℓ により n=p1e1⋯pℓeℓ と素因数分解すれば,
f(n)=n(1+d>1,d∣n∑2dφ(d))=n(21+d∣n∑2dφ(d))=2n(1+d∣n∑dφ(d))=2n(1+i=1∏ℓ(k=1∑eipikφ(pik)))=2n(1+i=1∏ℓ(1+pi(pi−1)+⋯+pi2ei−1(pi−1)))=2n(1+i=1∏ℓ(1−pi+pi2−⋯−pi2ei−1+pi2ei))=2n(1+i=1∏ℓpi+1pi2ei+1+1)
よって,f(n) が 5 の倍数となるのは,n が 5 の倍数となるときか,
i=1∏ℓpi+1pi2ei+1+1≡−1(i)
となるときのいずれかである.N2024 の正の約数のうち 5 の倍数であるものの個数は,5 の指数が 1 以上であるものの個数であるので,100 以下の素数の個数が 25 であることから,
202524⋅2024
と計算される.以下,n は 5 の倍数でないとする.
n の素因数 pi について, pi+1pi2ei+1+1 が 5 の倍数となるとすると,pi2ei+1≡−1 より pi2(2ei+1)≡1 となる.一方フェルマーの小定理より pi4≡1 であるので,gcd(2(2ei+1),4)=2 より pi2≡1 すなわち pi≡±1 でなくてはならない.pi2ei+1≡−1 と合わせると,pi+1pi2ei+1+1 が 5 の倍数となるのは pi≡−1 のときに限られることが分かる.一方 pi≡−1 のとき,
pi+1pi2ei+1+1=1−pi+pi2−⋯+pi2ei≡2ei+1
となる.
よって,100 以下の素数のうち 5 で割った余りが 1,2,3 となるものを q1,…,qx,余りが 4 となるものを r1,…,ry とおき,それらに対応する指数をそれぞれ f1,…,fx,g1,…,gy とすると,
i=1∏xqi+1qi2fi+1+1≡0,i=1∏yri+1ri2gi+1+1≡i=1∏y(2gi+1)
が成り立つ.特に,5 の倍数でない N2024 の正の約数 n のうち,
1≤i≤ℓ,pi=ry∏pi+1pi2ei+1+1=(i=1∏xqi+1qi2fi+1+1)(j=1∏y−1rj+1rj2gj+1+1)≡0
となるものの個数は,j=1,…,y−1 に対して 2gj+1≡0 すなわち gj≡2 となるような 0 以上 2024 以下の整数 gj の選び方を考えることで,
2025x⋅1620y−1
と計算できる.この条件が成り立っているとき,(i) が成り立つような gy の選び方は 5 を法としてちょうど 1 つ存在するので,5 の倍数でない N2024 の正の約数 n のうち (i) が成り立つものの個数は,
2025x⋅1620y−1⋅405
100 以下の素数のうち 5 で割って 4 余るのは,下一桁が 9 である 19,29,59,79,89 の 5 個であるので,x=19,y=5 となる.従って,N2024 の正の約数のうち f(n) が 5 の倍数となるものの割合は,
ba=202525202524⋅2024+202519⋅16204⋅405=202564055⋅(55⋅2024+44)=2025⋅5555⋅2024+44=63281256325256
特に解答すべき値は 12653381 である.
解説YouTubeが存在しません.