与えられた漸化式は,
xn+1=xn+xn+2xn2+xn+22
という形や,
xn+2(xn+2−xn+1)=xn(xn+1−xn)
という形に変形できることに注意する.これより
Sk(n)=xnxn+1(xn+1−xn)
とすると,任意の n について Sk(n)=Sk(n+1) がいえる.また,任意の n について xn,Sk(n) はどちらも正なので,xn<xn+1 である.以降,Sk(n) を単に Sk と書く.
O を原点とする直交座標において An(xn,xn2),B(2024,20242) とすると,
∣△OAnAn+1∣=21Sk
となる.任意の n について xn<xn+1<xn+2 であることから,直線 OAn+1 に対して An と An+2 は反対側にある.直線 OA2 と直線 OB および y=x2 (314≤x≤2024) によって囲まれた領域を D とすると,多角形 OA2…Amk は D に含まれるため
mkSk=2Sk+2(∣△OA2A3∣+…+∣△OAmk−1Amk∣)≤2Sk+2(Dの面積)=2Sk+2(∫02024(2024x−x2)dx−∫0314(314x−x2)dx)=2Sk+320243−3143
となる.ここで,次の補題を示す.
補題1. 任意の n について以下が成り立つ.
xn+1−xn≤xn−xn−1≤⋯≤x3−x2<k
証明1. 2 以上の n について
xn+1=xn+xn+2xn2+xn+22≥2xn+xn+2
より
xn+1−xn≥xn+2−xn+1
がわかるので
x3−x2≥x4−x3≥⋯≥xn+1−xn
となる.一方で,
x3−x2=2−x2+x22+4x1x2−4x12<2−x2+x22+4x1x2+4x12=k
となるから,命題は示された.■
補題2. 以下が成り立つ.
k→+0limxmk=2024
証明2. 補題1とmk の最大性から
0≤2024−xmk<xmk+1−xmk≤xmk−xmk−1≤mk−21((xmk−xmk−1)+(xmk−1−xmk−2)+⋯+(x3−x2))≤mk−21(xmk−x2)≤mk−21(2024−314)<mk−212024−x32024−314(xmk+1−x3)=mk−212024−x32024−314((xmk+1−xmk)+(xmk−xmk−1)+⋯+(x4−x3))≤mk−212024−x32024−314(mk−2)(x4−x3)<2024−x32024−314k
これと,
k→+0limx3=k→+0lim2x2+x22+4kx2−4k2=314
から,
k→+0lim2024−x32024−314k=0
なので,
k→+0limxmk=2024
を得る.■
補題1より,
0<320243−3143−(mk−2)Sk=l=2∑mk−1∫xlxl+1((xl+xl+1)x−xlxl+1−x2)dx+∣△OAmkB∣+∫xmk2024((xmk+2024)x−2024xmk−x2)dx=l=2∑mk−161(xl+1−xl)3+21xmk⋅2024(2024−xmk)+61(2024−xmk)3<61(mk−2)k3+61(20243−xmk3)=61(mk−2)Sk314(314−k)k2+61(20243−xmk3)≤61320243−3143314(314−k)k2+61(20243−xmk3)
となり,補題2より,
k→+0lim314(314−k)k2=0
k→+0lim(20243−xmk3)=0
なので
k→+0lim(mk−2)Sk=320243−3143
となる.したがって,
k→+0limSk=k→+0limx1x2(x2−x1)=k→+0lim314k(314−k)=0
とあわせて,
k→+0limkmk=k→+0lim314(314−k)(mk−2)Sk+2Sk=3⋅314220243−3143=24649688375890
より,答える値は 688400539 である.

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