条件を満たすxの集合をS(n)で表す.
補題.
x∈S(n)ならば x22=1またはx24=1である.
(証明) x∈S(n)のときx2024=1なので,とくに∣x∣=1.よってxn(x−1)=x23−1 から ∣x−1∣=∣x23−1∣ を得る.この式を複素数平面上で考えれば,x,x23 は単位円周 ∣z∣=1 上にあり,かつ 1 から等距離であるので,x=x23 または x=x23 となる.前者のとき,∣x∣=1 よりx24=1となる.x=0なので後者のときは x22=1 となる.(証明終)
この補題をもとに方程式を整理する.以下に注意する.
- x22=1のとき,xn(x−1)=x23−1=x−1 なので xn=1となる.x2024=1 かつ x22=1 かつ xn=1 であることは xgcd(n,22)=1 であることと同値である.
- x24=1 のとき,xn(x−1)=x23−1=x−1−1 を整理して xn+1=−1 を得る.このとき x2n+2=1 であり,複素数xに対して x2024=1 かつ x24=1 かつ x2n+2=1 であることは xgcd(8,2n+2)=1 であることと同値である.
- x22=1 かつ x24=1 を満たす 複素数 x は x=±1 のみである.常に 1∈/S(n) であり, −1∈S(n) であるのは n が偶数のときに限る.
ここで,g(n)=gcd(n,22),h(n)=gcd(8,2n+2) とおく.上より S(n) は次の3種類の集合 A(n),B(n),C(n) に分割される:
A(n)B(n)C(n)={x=±1∣xgcd(n,22)=1}={x=±1∣xgcd(8,2n+2)=1,xn+1=−1}={∅(nが奇数){−1}(nが偶数)
f(n)=∣A(n)∣+∣B(n)∣+∣C(n)∣ と書けるので,以下の場合に分けて計算する.
- n が偶数のとき,h(n)=2 なので B(n)=∅ である.よって
f(n)=(gcd(n,22)−2)+0+1=g(n)−1.
- n が奇数のときは A(n)={x∣xg(n)=1}∖{1} なので f(n)=g(n)−1+∣B(n)∣ である.
n が奇数のときの ∣B(n)∣ を調べるために,以下の3つの場合分けを行う.kは 0 以上の整数とする.
(Case 1.) n=4k+1 のとき,h(n)=4 なので B(n)={x=±1∣x4=1,x2=−1} より ∣B(n)∣=2.
(Case 2.) n=8k+3のとき,h(n)=8,xn+1=(x8)k⋅x4 なので B(n)={x=±1∣x8=1,x4=−1} より ∣B(n)∣=4.
(Case 3.) n=8k+7 のとき, h(n)=8,xn+1=(x8)k+1 である.x∈B(n) のとき xn+1=1=−1 となるため B(n)=∅である.
以上をまとめると,f(n) は 以下で与えられる.
f(n)=g(n)+r(n),ただしr(n)=⎩⎪⎪⎨⎪⎪⎧−113(nは偶数, またはn≡7(mod8))(n≡1(mod4))(n≡3(mod8))
これにより,求めるべき総和は以下のように計算される:
n=0∑2023f(n)=k=0∑253{g(8k)+⋯+g(8k+7)+(r(8k)+⋯+r(8k+7))}=k=0∑252{g(8k)+⋯+g(8k+7)+0}=n=0∑2023gcd(n,22)=92n=0∑21gcd(n,22)=92(1×φ(22)+2×φ(11)+11×φ(2)+22×φ(1))=92(10+20+11+22)=92×63=5796
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