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NF杯2023

NF杯2023(K)

 条件よりffは全射,ゆえに全単射である.

 nnに対し, fdn(n)=nf^{d_n}(n) = nを満たす最小の正の整数 dnd_n がある.これを nn周期と呼ぶことにする.条件より周期 dnd_nnn の約数である. ここで非負整数 i,ji,j に対し,単射性から  fj(fi(n))=fi(n)    fj(n)=n    dnjf^{j}(f^{i}(n)) = f^{i}(n) \iff f^{j}(n) = n \iff d_n \mid j なので,n,f(n),,fdn1(n)n,f(n),\dots, f^{d_n -1}(n)の周期もまた dnd_n となる.0i<dn0\leq i \lt d_nとし, a=fi(n)a = f^{i}(n)とおくと,fa(a)=af^{a}(a) = a かつ aa の周期は dnd_n なので,周期の最小性から aadnd_n の倍数でなければならない.a{1,2,,13}a\in \{ 1,2,\dots, 13 \} なので,11 から 1313 までの整数の中に dnd_n の倍数が dnd_n 個以上あることになる.よってdndn13d_n\cdot d_n \leq 13 が従うから,dn=1,2,3d_n = 1,2,3でなければならない.これらと dnnd_n | n を考慮することで,特に次が分かる:

  • nn2,32,3と互いに素である場合( n=1,5,7,11,13n = 1,5,7,11,13 ),dn=1d_n = 1,すなわち f(n)=nf(n) = n でなければならない.よって ff88元集合 S={2,3,4,6,8,9,10,12}S = \{ 2,3,4,6,8,9,10,12 \} の置換で決まる.
  • nSn\in S33 の倍数でない場合 ( n=2,4,8,10n = 2,4,8,10 ),dn3d_n \neq 3
  • nSn\in S が 偶数でない場合 ( n=3,9n = 3,9 ),dn2d_n \neq 2
  • n=6,12n = 6, 12 の場合,dnd_n1,2,31,2,3 のどの可能性もある.

 以降,nSn\in S に対して OnO_nnnffによる軌道,すなわち集合 {n,f(n),,fdn1(n)}\left\{ n, f(n), \dots, f^{d_n - 1(n)} \right\} を表すとする.OnO_n長さ (元の個数) は dnd_n であり,集合 SSOnO_n (nSn\in S ) のいくつかで分割される. この分割の可能性について考察する.

 まず,SS の分割に長さ 33 の軌道は高々 11 つしか含まれない.実際,長さ 33 の軌道に含まれる数は 33 の倍数でなければならず,集合SS に 含まれる 33 の倍数は 66 個未満であるからである.同様の議論で,SS に属す 偶数は 66 個なので,長さ 22 の軌道は 33 個以下である.

 長さ 2,32,3 の軌道の数をそれぞれ x2,x3x_2,x_3 として,(x2,x3)(x_2,x_3) に関して場合分けすると以下のようになる.

  • (x2,x3)=(0,0)(x_2,x_3) = (0,0) のとき,すべてが固定点なので 11 個.

  • (x2,x3)=(1,0)(x_2,x_3) = (1,0) のとき,長さ 22 の軌道に入るべき数は 2,4,6,8,10,122,4,6,8,10,1266 個なので 6C2=15{}_{6}\mathrm{C}_{2} = 15 個.

  • (x2,x3)=(0,1)(x_2,x_3) = (0,1) のとき,長さ 33 の軌道に入るべき数は 3,6,9,123,6,9,12の4個であり,円順列を考えることで 4P33=8\dfrac{{}_{4}\mathrm{P}_{3}}{3} = 8個.

  • (x2,x3)=(2,0)(x_2,x_3) = (2,0) のとき,2,4,6,8,10,122,4,6,8,10,12 から 4 つ選んで 2 つずつに分ける方法を考え,6C44C22!=45\dfrac{{}_{6}\mathrm{C}_{4}\cdot {}_{4}\mathrm{C}_{2}}{2!} = 45個.

  • (x2,x3)=(1,1)(x_2,x_3) = (1,1) のとき,長さ2,32, 3の軌道をそれぞれ S2,S3S_2, S_3 とする.S3S_3 には 661212 の少なくとも一方が入っており,以下の3ケースに分けて考えることで,24+20+20=6424+20+20 = 64個のffを得る.

    (Case 1.1.) 6,12S36,12\in S_3 のとき, S3S_3としてありうるのは 126i1212\mapsto 6 \mapsto i\mapsto 1212i61212\mapsto i\mapsto 6\mapsto 12 (i=3,9i=3,9) の4パターンである.S2S_22,4,8,102,4,8,10 から2つの数字を選んで構成すればよいので, 4C2=6{}_{4}\mathrm{C}_{2} = 6パターンがある. よって24個の ff を得る.

    (Case 1.2.) 12S312\in S_3 かつ 6S36\notin S_3 のとき,S3S_3123912\mapsto 3\mapsto 9129312\mapsto 9\mapsto 3 の2個. S2S_22,4,6,8,102,4,6,8,10 から2つの数字を選んで構成すればよいので 5C2=10{}_{5}\mathrm{C}_{2} = 10 個.よって20個のffを得る.

    (Case 1.3.) 6S36\in S_3 かつ 12S312\notin S_3 のときも Case 1.2. と同様に同様に 20個.

  • (x2,x3)=(3,0)(x_2,x_3) = (3,0) のとき,長さ2の軌道3つを 2,4,6,8,10,122,4,6,8,10,12 から作る方法の個数だけffが得られるので,6C24C22C23!=15\dfrac{{}_{6}\mathrm{C}_{2}\cdot {}_{4}\mathrm{C}_{2}\cdot {}_{2}\mathrm{C}_{2}}{3!} = 15個.

  • (x2,x3)=(2,1)(x_2,x_3) = (2,1) のとき,以下のように12+30+30=7212 + 30 + 30 = 72個のffを得る.唯一の長さ3の軌道をS3S_3とする.

    (Case 2.1.) 6,12S36,12 \in S_3 のとき,Case 1.1と同様に 4通りの S3S_3 がある.長さ2の軌道2つの分け方は2,4,8,102,4,8,10 を二つに分ける方法だけあるので 4C22!=3\dfrac{{}_{4}\mathrm{C}_{2}}{2!} = 3 通り.よって12個のffを得る. 

    (Case 2.2.) 12S3,6S312\in S_3, 6\notin S_3の場合,S3S_3は2通り( Case 1.2 と同様). 長さ2の軌道2つは2,4,6,8,102,4,6,8,10 を二つに分ける方法だけあるので, 5C23C22!=15\dfrac{{}_{5}\mathrm{C}_{2} \cdot {}_{3}\mathrm{C}_{2}}{2!} = 15 個. よって30個の ff を得る.

    (Case 2.3.) 6S3,12S36\in S_3,\quad 12\notin S_3の場合,**Case 2.2.**と同様に30個得られる.

 以上より,求める ff の個数は 1+15+8+45+64+15+72=220 1 + 15 + 8 + 45 + 64 + 15 + 72 = \mathbf{220}

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