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問1.
(RBAR,PCBP,QACQ)
は,点Xを動かしたときに,任意の{(x,y,z)∈R>03;xyz=1}上の点を取りうるか?
答1.
結論から言うと取りうる.
RBAR=s,QACQ=tとなるように辺AB,ACを内分するように点R,Qを取る.
このとき,
AR=1+ssAB,AQ=1+t1AC
である.任意のs,t∈(0,∞)に対して,うまく点R,Qをそれぞれ線分AB,ACから取ってくれば条件が満たされる.さらに,点の取り方は一意である.
このとき,Xの位置はRCとBQの交点であると定める.
さらに,
RBAR=s,QACQ=tとなるようなXの取り方はこの場合しか無いのである.
問2.
このようなXの取り方において,Xは必ず三角形の内部(周上を除く)領域に存在しているか?
答2.
結論から言うと常に三角形の内部にあることが保証される.
チェバの定理により,PCBP=st1である.
よって,
AP=1+ststAB+1+st1AC
となる.
さらに,メネラウスの定理より,
XPAX⋅CBPC⋅RABR=1
であるため,
XPAX⋅1+stst⋅s1=1
より,
XPAX=s⋅st1+st
である.よって,
AX=1+t+st1+stAP
より,
AX=1+t+ststAB+1+t+st1AC
である.
ここで,s,t∈(0,∞)ならば,
0<1+t+stst∧0<1+t+st1∧1+t+stst+1+t+st1=1+t+st1+st<1
であるため,点Xは三角形内部に存在することが保証される.
注:点X;AX=xAB+yACが三角形ABCの周上を除く内部に存在することの必要十分条件は
0<x∧0<y∧x+y<1
である.さらに,三角形内部の点X;AX=xAB+yACに対して,
s=1−x−yx,t=y1−x−y
となるような(s,t)が対応する.
結局,
{(x,y,z)∈R>03;xyz=1}上の点と三角形ABCの(周上を除く)内部の点が一対一対応しているため,以降の公式解説における議論が成立することが保証される.