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NF杯2023

NF杯2023(F)

 x=ab+bc+cax=ab+bc+ca とおき,p=2017p=2017 とする.a=pa=p のとき,xxpp で割り切れるとすると,b=c=pb=c=p となるから不適.よって問題は,11 以上 p1p-1 以下の相異なる整数の組 (a,b,c)(a,b,c) であって,xxpp の倍数になるようなものを求めることに帰着する.まず,相異なるという条件を考慮せずに組を求める.
 以下, 合同式の法は pp とする.また,

  • S1S_11a,b,cp1,ab1\leq a,b,c\leq p-1,a\neq b を満たす整数の組 (a,b,c)(a,b,c) の集合とする.
  • S2S_21a,b,cp1,ab,b=c1\leq a,b,c\leq p-1,a\neq b,b=c を満たす整数の組 (a,b,c)(a,b,c) の集合とする.
  • S3S_31a,b,cp1,ab,c=a1\leq a,b,c\leq p-1,a\neq b,c=a を満たす整数の組 (a,b,c)(a,b,c) の集合とする.

求めるべきは S1(S2S3)=S1S2S3+S2S3|S_1|-|(S_2\cup S_3)|=|S_1| - |S_2| - |S_3| + |S_2\cap S_3|である.

  • S2|S_2| を求める.b=cb=c より,x=ab+b2+ab=b(2a+b)x = ab + b^2 + ab = b(2a + b)bbpp で割れないので 2a+b2a + bpp で割れる.aa を任意に一つ定めたとき,bbb2ab\equiv -2a を満たすように 11 通りだけ取ることができるため,2a+b2a + bpp の倍数になる場合の数は p1p-1 通りである. よって S2=p1|S_2| = p-1.対称性より S3=p1|S_3| = p-1 でもある.
  • S2S3S_2\cap S_3 について,a=b=ca=b=cとすると x=3a2x = 3a^2 であり,これはppで割れない.よって S2S3=0|S_2\cap S_3| = 0

よって S12(p1)|S_1| - 2(p-1) を求めればよい.以下,S1|S_1|を求める.x=(a+b)c+abx=(a+b)c + ab に注目し,a+ba+bpp で割れるかで場合分けを行う.

  • a+ba+bpp で割れないとき,s(a+b)1s(a+b)\equiv 1 となる pp で割れない整数 ss があるので, x0x\equiv 0 ならば cabsc\equiv -abs となる.abs≢0-abs\not\equiv 0 であり,このよう なcc は一つに定まるから,a+ba+bpp の倍数 (    a+b=p\iff a+b = p) でないような組 (a,b)(a,b)aba\neq b を満たすものの分だけ,題意を満たす (a,b,c)(a,b,c) が得られる.a=ba = ba+b=pa+b = p は両立しないことに注意すると,そのような (a,b)(a,b) の個数は (p1)2(p1)(p1)=(p1)(p3)(p-1)^2 - (p-1) - (p-1) = (p-1)(p-3) 個と求まる.
  • a+ba+bpp で割れるとき,ababpp で割れるが,1a,bp11\leq a,b\leq p-1 かつ pp が素数だからそれは起こらない.

以上より S1=(p1)(p3)|S_1| = (p-1)(p-3)である.
 よって,求める場合の数は (p1)(p3)2(p1)=(p1)(p5)(p-1)(p-3) - 2(p-1) = (p-1)(p-5) なので,求める確率は (p1)(p5)p(p1)(p2)=p5p(p2)\frac{(p-1)(p-5)}{p(p-1)(p-2)}=\frac{p-5}{p(p-2)} である.特に,p=2017p=2017 のとき, 201220172015=20124064255.\frac{2012}{2017\cdot2015}=\frac{2012}{4064255}. よって,求める値は 2012+4064255=40662672012+4064255=\mathbf{4066267} である.

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