x=ab+bc+ca とおき,p=2017 とする.a=p のとき,x が p で割り切れるとすると,b=c=p となるから不適.よって問題は,1 以上 p−1 以下の相異なる整数の組 (a,b,c) であって,x が p の倍数になるようなものを求めることに帰着する.まず,相異なるという条件を考慮せずに組を求める.
以下, 合同式の法は p とする.また,
- S1 を 1≤a,b,c≤p−1,a=b を満たす整数の組 (a,b,c) の集合とする.
- S2 を 1≤a,b,c≤p−1,a=b,b=c を満たす整数の組 (a,b,c) の集合とする.
- S3 を 1≤a,b,c≤p−1,a=b,c=a を満たす整数の組 (a,b,c) の集合とする.
求めるべきは ∣S1∣−∣(S2∪S3)∣=∣S1∣−∣S2∣−∣S3∣+∣S2∩S3∣である.
- ∣S2∣ を求める.b=c より,x=ab+b2+ab=b(2a+b).b は p で割れないので 2a+b が p で割れる.a を任意に一つ定めたとき,b を b≡−2a を満たすように 1 通りだけ取ることができるため,2a+b が p の倍数になる場合の数は p−1 通りである. よって ∣S2∣=p−1.対称性より ∣S3∣=p−1 でもある.
- S2∩S3 について,a=b=cとすると x=3a2 であり,これはpで割れない.よって ∣S2∩S3∣=0.
よって ∣S1∣−2(p−1) を求めればよい.以下,∣S1∣を求める.x=(a+b)c+ab に注目し,a+b が p で割れるかで場合分けを行う.
- a+b が p で割れないとき,s(a+b)≡1 となる p で割れない整数 s があるので,
x≡0 ならば c≡−abs となる.−abs≡0 であり,このよう なc は一つに定まるから,a+b が p の倍数 (⟺a+b=p) でないような組 (a,b) で a=b を満たすものの分だけ,題意を満たす (a,b,c) が得られる.a=b と a+b=p は両立しないことに注意すると,そのような (a,b) の個数は (p−1)2−(p−1)−(p−1)=(p−1)(p−3) 個と求まる.
- a+b が p で割れるとき,ab が p で割れるが,1≤a,b≤p−1 かつ p が素数だからそれは起こらない.
以上より ∣S1∣=(p−1)(p−3)である.
よって,求める場合の数は (p−1)(p−3)−2(p−1)=(p−1)(p−5) なので,求める確率は
p(p−1)(p−2)(p−1)(p−5)=p(p−2)p−5
である.特に,p=2017 のとき,
2017⋅20152012=40642552012.
よって,求める値は 2012+4064255=4066267 である.
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