コンテスト中に実施した計算を紹介します.相似を見つけたりきれいな補助線を見つけるのが苦手だったりする人には良いかもしれません.ただし,方べきの定理や平行線の比を用いていたり,三平方の定理を活用するための補助線を引いているので,純粋な計算のみの手法ではありません.
D を通り,BCに平行な直線と AB,AC の交点を順に X,Y とする.XP:PB=DQ:QC=2:3 より,XP=4,AX=AY=5 を得る.
XY,BC の中点を順に N,M とする.△ABCは二等辺三角形であったから,A,N,M は同一直線上で,AM⊥BC である.
∠BAM=21∠BAC=θ とおく.また,DX と外接円の交点(=D) を D′ とおく.
θ を用いて BD(=13) を表し,それをもとに三角比を計算するのが第一目標である.(そのために,長さがつかみやすい平行線や三平方の定理を使いやすい垂直な線を引いた.)
YD=l とおく.方べきの定理から D′Y⋅YD=AY⋅YC=50 である.一方,YD′=2YN+XD′=10sinθ+l と合わせると,l(l+10sinθ)=50 を得るので,これを解くと,l>0 から,
l=−5sinθ+5sin2θ+2
となる.これにより,ND=NY+YD=5sin2θ+2 であり,BM=15sinθ と合わせると,三平方の定理から以下の方程式が立つ.
132=BD2=(BM+ND)2+NM2=(15sinθ+5sin2θ+2)2+(10cosθ)2=25(10sin2θ+2+6sin2θ(sin2θ+2))+100(1−sin2θ)
上式で sin2θ=t と置いて再度整理すると以下の通り
169⇔(15019−t)=150+150t+150t(t+2)=t(t+2)
これを解いて(結局 t の一次式になるため大変ではない),sin2θ=t=50700361 を得る.一方で,今回要求されている PQ に関しては,平行線の性質から,
PQ=53XD+2BC=515sinθ+15sin2θ+2+60sinθ=15sinθ+3sin2θ+2=15t+3t+2=39015⋅193+3903⋅3193=652073
となる.